【NHKマイルC】ジャンタルマンタルが突き抜けて圧倒!3歳マイル王に輝く
川田将雅(38)=栗・フリー=騎乗の2番人気ジャンタルマンタルが好位追走から抜け出し、2馬身半差の快勝を飾った。勝ちタイム1分32秒4(良)。今後は休養に入り、秋に備える予定。1番人気のアスコリピチェーノは最後の直線で他馬と接触するアクシデントが響いて2着。3着には10番人気のロジリオンが入った。 ◇ これが最優秀2歳牡馬の真の力だ! ジャンタルマンタルが圧巻のパフォーマンスで、朝日杯FSに次ぐ2つ目のビッグタイトルをゲット。11年連続でのJRA・GⅠ制覇を決めて大歓声に包まれた鞍上は、強風にたなびく相棒のたてがみを何度もなでてねぎらった。 「この馬が1600メートルで走ることに関しては絶大なる自信を持っていますので、この同世代であれば普通に走りさえすれば負けることはないと思っていました。ただ、皐月賞からの中2週ということで疲れがどうなのかなというところが一番の懸念点ではあったのですが、それでも差し切ってくれましたので、やはり素晴らしい走りができる馬だなと思います」 いつも通りに抜群のスタートを決めると、前向きさあふれる走りで好位を追走した。リズム良く運び、最後の直線を向くときには名手が「負けることはないな」と確信するほどの手応え。残り300メートルで満を持して先頭に立つと、一気にリードを広げた。人気を二分したアスコリピチェーノに、最後は決定的な2馬身半差。悠々とトップゴールを果たした。 「日本ダービーの選択肢もあった中でここを使った以上は、勝たなきゃいけないという思いがありました。無事にゴールしてホッとしました」 高野調教師=写真=が胸をなで下ろす。自身も従来のレコードを上回るタイムで駆け抜けた皐月賞3着からわずか14日。限られた時間で、陣営は回復に尽力した。「表面上は疲れがなくても、体の芯に疲労感はあったはず。その中でスタッフが一生懸命ケアをしてくれました。みんなの勝利だと思います」とトレーナー。チーム一丸でつかみ取った栄冠に笑顔がはじけた。 今年は共同通信杯(2着)、皐月賞と連敗したが、これで芝1600メートルなら3戦3勝と敵なしの強さ。鞍上は「マイルという距離でこの馬が日本で一番強いんだというレベルまでいければいいなと思っています」と語ったが、指揮官はさらなる野望を口にした。