ビットコイン、強気相場を裏付ける3つのグラフ
ビットコイン(BTC)価格は今年120%上昇し、ほとんどのアナリストは短期的にさらに上昇すると予測している。アナリストらは、米証券取引委員会(SEC)が近く、1つ、あるいは複数のビットコイン現物ETF(上場投資信託)を承認すると予想されることや、来年4月を予定するビットコイン半減期への期待をあげた。 強気予想は、より広範な経済環境からも裏付けられている。以下、昨年の価格下落に影響を与えたマクロ経済要因の好転していることを示しているグラフを見ていこう。
世界の中央銀行の政策サイクル
1947年以降の世界の中央銀行の引き締めと緩和の推移を示すグラフは、経済予測を手がけるTSロンバード(TS Lombard)によるもの。プラスの数値は金融引き締めを、マイナスの数値は金融緩和を表す。 緩和政策は流動性を高める。つまり2020年3月の新型コロナウイルス感染拡大による下落からの18カ月で見られたように、利下げなどを通じて金融システムに資金を投入してリスクテイクを促進する。 逆に、引き締め政策は、インフレを抑制するために利上げなどの手段で流動性を吸い上げる。昨年のように、金融市場におけるリスクテイクを阻害することにつながる。 グラフは、暗号資産(仮想通貨)を含む金融市場を揺るがした昨年の世界的な引き締めサイクルがピークを迎え、流動性緩和への動きが強まっていることを示している。 世界的にインフレ率は鈍化しており、中央銀行には引き締めペダルから足を離す余地があり、引き締めからの脱却は暗号資産市場への資金流入の増加につながる可能性がある。ビットコインは、グローバルな流動性の動向にきわめて敏感で、流動性が増えると上昇する傾向がある。
アメリカの金融情勢の緩和
下のグラフは、米投資銀行大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)が公表した1月以降の米金融環境指数(FCI:Financial Condition Index)。FCIはわずか数週間前に記録した年初来高値の100.74から100を割り、9月と10月に見られた引き締めをすべて帳消しにした。 下落は、連邦制度準備理事会(FRB)の高金利水準維持のスタンスとは正反対で、今後のアメリカ経済の弾力的な回復力、つまり暗号資産を含むリスク資産にとってポジティブな展開になることを示している。 FCIは短期金利、長期金利、米ドルの貿易加重為替レート、クレジットスプレッドの指数、および1株当たり利益の10年平均に対する比率の加重平均。 FCIが1%下落(あるいは上昇)すると、その後の3~4四半期でGDPに1%プラス(あるいはマイナス)の影響をもたらすとされる。 FRBのアナリストらによると、金融情勢とは「資産価値と金利の位置を示すもの」であり、経済の健全性と金融政策に基づいて変化し、また経済それ自体に潜在的な影響を与え得るという。