小林幸子、中越地震からの復興を願う山古志村の稲刈り 今年も実施
＜ニッカンスポーツ・コム／芸能番記者コラム＞ 新潟出身の歌手小林幸子（70）が9月27日、同県長岡市山古志地域（旧山古志村）の水田で、04年に発生した中越地震からの復興を願って山古志小の児童8人らと恒例の稲刈りを行いました。 中越地震では川口町（現長岡市）を震源とするM6・8の地震が発生して最大震度7を記録しました。68人が死亡し、約4800人が重軽傷を負い、住宅の損壊は約12万棟。山古志村でも5人が亡くなり全村避難を余儀なくされました。 被災の記憶を語り継いで風化させないため、「復興のシンボル」として“小林幸子田”で米作りが始まったのが06年です。 記者が“幸子田”取材に初めて行ったのは10年以上前。当時は児童数が倍以上いて、祖父母やきょうだいなどの家族や近所の人たちが大勢駆けつけて、すごくにぎやかなイベントでした。カメラを構える記者の前にどんどん人が入ってきて、シャッターを切ることができずに困ったことを覚えています。ですが、中越地震から20年が経過し、地方で加速している過疎化と少子化は山古志も例外ではないのが現実です。 この日、小林は「中越地震で一番被害が大きかったのが山古志です。あの時、多くの人が『もう土をいじれないのではないか』『もう元には戻れないかも』と言っていました。でも、復興への思いを1つにして、ぶれることなく『元に戻るんだ』という鉄のように固い思いを貫いてきました。そして今があります」と話しました。 地元の人たちは小林のことを「家族みたいなもの」と言い、新潟市出身の小林も「山古志はもう1つの故郷」と言います。20年で培った絆です。 児童らにとっての“ハイライト”は稲刈りの後にあります。小林から“参加賞”としての東京土産を手渡しでもらって、すごくうれしそうな表情を見せていました。この笑顔をまた見たいな。そう思いました。【松本久】
