米財務長官ポスト、ベッセント氏に強力な後ろ盾-ルトニック氏も関心
関税に関して生ぬるいとみる向きもあったムニューシン氏は、トランプ政権1期目の通商政策の一部に対する防波堤の役割を果たしていた。ベッセント、ムニューチン両氏は共に、民主党の主要な政治献金者である億万長者ジョージ・ソロス氏との関係が深いファンドで働いていた。
ベッセント氏は最近、英誌「エコノミスト」寄稿した論説で、「広範な関税」が国際貿易のバランスを取り戻す効果的な方法であると指摘した。
幅広い支持
ベッセント氏は、トランプ氏の長年の盟友スティーブ・バノン氏や、キリスト教福音派の有権者を動員する団体「信仰と自由連合」の創設者ラルフ・リード氏といったトランプ氏支持母体全体の幅広いリーダーたちから支持を得ている。
バノン氏は電話インタビューでベッセント氏について「歴史上のこの瞬間において完璧なスキルセットを備えている 」と発言。「債務問題は米国が直面する唯一最大の国家安全保障問題だ 」とし、「グローバルな資本市場に精通し、こうした市場で実際に取引し、市場を理解している財務長官が必要だ」と話した。
財務長官候補にはこのほか、トランプ政権1期目で米通商代表部(USTR)代表を務めたロバート・ライトハイザー氏や、米証券取引委員会(SEC)委員長だったジェイ・クレイトン氏らの名前も挙がっている。
トランプ氏はまだ人選について決定を下していないが、今週中にも財務長官の指名の発表が行われる可能性がある。トランプ氏の広報担当カロリン・リービット氏は「次期大統領は第2次政権を担う人々の選考を進めている。これらの人選は決定次第発表される」と声明で説明している。
原題:Bessent Earns Endorsements, Lutnick Jockeys for Treasury Post(抜粋)
--取材協力:Yiqin Shen、Jenny Leonard、Amanda L Gordon.
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Saleha Mohsin, Nancy Cook, Joshua Green