外信コラム サンドイッチは是か非か 英政界で論争 野党党首の「本物の食べ物じゃない」発言が波紋
英国がサンドイッチ発祥の地であることは、日本でも雑学として広く知られているはずだ。そんな英国で野党・保守党のベーデノック党首が「サンドイッチは本物の食べ物ではない」と発言し、労働党のスターマー首相らが一斉に反発する事態が起きた。 ベーデノック氏の発言が飛び出したのは、保守系誌スぺクテーター(電子版)とのインタビュー(12日掲載)時だ。同氏は、昼食休憩をとるのは「へたれのすることだ」と主張。「私は職場にステーキを取り寄せて仕事しながら食べている」と明かし、「サンドイッチなんか朝食に食べればいい」とこき下ろした。 これに対し首相府はスターマー氏の意見として「サンドイッチは英国の偉大なる名物だ」と反論。同氏のお気に入りは「ツナサンドと焼いたチーズサンドだ」とも付け加えた。 業界団体、英国サンドイッチ協会の幹部もラジオ番組で、年間35億個もの市販サンドイッチが国内で消費されていると指摘し、「愚かな発言だ」と断じた。 筆者も英国のサンドイッチの多彩な味わいを日ごろ大いに楽しんでおり、ここは首相らの意見に同調したい。同時に、昼間から職場でステーキに挑んで政権奪還に情熱を燃やすベーデノック氏の迫力にも少なからぬ感銘を受けたのだった。(黒瀬悦成)