なぜ「TOEICが高得点」でも話せない? 日本人の英語が改善しない根本原因
気軽に英会話を練習する方法
――日本で適切なアウトプットができる場所や方法は、どのようなものがあるのでしょうか? 【甲斐】たとえば「meetup」(https://www.meetup.com/ja-JP/)という世界中の人が集まるサイトがあります。さまざまなコミュニティが作られていて、住んでいる地域の近くの集まりやオンラインでのイベントなどを検索できたりするんです。自分でコミュニティを作ることもできます。 最初はちょっと勇気がいるかもしれませんが、日本にいる外国人の方であればカタコトの日本語が話せるレベルの人も多いので、コミュニケーションが図れるのではないでしょうか。そのほかには、外国人が多く通う六本木のバーなどでコミュニケーションを楽しむのもいいですね。 【船橋】meetup、いいですよね。ただ、交流をするという目的よりも英語を純粋にしゃべりたい、というニーズもあるかと思います。 そういう場合には、一般的ですがオンライン英会話だったり、「ハロートーク」という語学学習アプリなどもオススメ。日本を学びたい外国人とランゲージエクスチェンジをすることが無料でできるんです。さらに純粋に英語を話す練習をしたいのであれば、ChatGPTのようなAIチャットボットと話すといった方法もありますね。 【甲斐】そうですね。それから、私がドイツ語を勉強していたときにはドイツ語を話せる友人がいなかったので、一番よくやっていたのが独り言です。 【船橋】独り言! 私も英語でよく独り言学習をしています。 【甲斐】毎日、「今日は何を食べようかな」「今日は何を買おうかな」「今日のスケジュールは」といった感じで、一人で話すんです。最初はなかなか言葉が出てこないので辞書や検索ツールで調べたりしながら、そのうち簡単なフレーズが言えるようになってきます。独り言のいいところは、誰にも「間違ってるよ」なんて言われないし、メンタルブロックという面でも有効ですよね。 【船橋】ナオミ先生の『カタカナ英会話』は独り言学習に最適ですよね。カタカナを読んでそのまま話すだけで本当にネイティブのような発音になるので、口に出して言うことが楽しくなります。 このカタカナが秀逸で、ネイティブはこう話すというエッセンスをギュッと昇華させてそれをカタカナで表現しているから、カタカナ表記が予想の斜め上をいくんですよ。 たとえば「Can I~」はキャンアイでもなくキャナイでもなく「ケナイ」ですから。「I don‘t know.」はアイドントノウではなく「アロンノウ」。かなり大胆ですが、口に出してみると本当にネイティブに聞こえます。 【甲斐】ネイティブの発音をいかにカタカナに落とし込むかという点では、かなり試行錯誤しました。船橋先生の『英会話は筋トレ。』と『やっぱり英会話は筋トレ。』も同じく独り言学習に最適ですよね。本当に筋トレのプログラムみたいに28日間の学習スケジュールを組んで、口に出して発音し、反復トレーニングができる構成になっています。 【船橋】「知っている」と「使える」のギャップを埋めるために、反復練習は有効ですよね。知っている英語が反射的に口から出るように瞬発力を鍛えるための構成にしています。これらの本も活用して、独り言学習からAIとの会話、ノンネイティブの日本人同士での会話、ネイティブとの会話、というようにステップアップしていくとスムーズかもしれませんね。
甲斐ナオミ(ネイティブスピーキングコンサルタント),船橋由紀子(英語学習コーチ)