【カンボジア】24年成長率、世銀が0.6ポイント下方修正
世界銀行はこのほど発表した報告書で、2025年と26年のカンボジアの国内総生産(GDP)成長率をいずれも5.5%と予測した。6月時点の予測から、それぞれ0.6ポイント、0.9ポイント下方修正した。 世銀は、25~26年のカンボジア経済は雇用市場の改善などに伴い需要の拡大が期待されると指摘した。自由貿易協定(FTA)の発効で農業・農産加工産業が堅調に成長するほか、インフラ整備の進行を受け物流産業なども拡大すると予想。一方で、建設・不動産部門の低迷に伴う融資の伸び悩み、住宅価格の下落や家計債務の増大を背景に消費の回復が遅れるとの見通しも示した。 想定されるリスクについては、外的要因として需要の低迷や中国経済の減速を提示。国内では不良債権の増加が金融の安定性に影響を及ぼす恐れがあると懸念を示した。 政策面では、歳入の拡大に向けた財政改革を優先すべきだと強調した。新型コロナウイルス下で導入した税制優遇措置などは廃止し、物品やサービスへの課税を強化すべきだと述べた。 24年のGDP成長率は5.3%と予測し、6月の予測値から0.5ポイント引き下げ。サービス業や輸出の拡大、海外直接投資(FDI)の継続的な流入が今年の経済成長を支えたとの見方を示した。 19日のクメール・タイムズ(電子版)によると、オウン・ポンモニラット副首相兼財務経済相は先に、24年と25年のGDP成長率をそれぞれ6.0%、6.3%と予想している。