DeNA・筒香嘉智「ヤスアキがチームを鼓舞する姿、心に感じるもの」7点差逆転勝利導くV弾は日米通算225号
◆JERA セ・リーグ DeNA11―9阪神(11日・横浜) 復帰4戦目のDeNA・筒香嘉智外野手(32)が8回に2号勝ち越しソロを放つなど、序盤の7点差をはね返す大逆転勝ちだ。8回、蝦名達夫外野手(26)の1号2ランで追いつくと、筒香が6日の復帰初戦となったヤクルト戦の逆転3ランに続く劇的アーチ。さらに牧秀悟内野手(26)も5号ソロ。新旧主砲の初アベック弾に、超満員のハマスタが沸き返った。 雲一つない五月晴れなのに、嵐のような強風が吹き荒れるハマスタ。何かが起きる―。ベイ党の予感と期待が現実になった。 3回の7点ビハインドから5点を返し、2点差で迎えた8回だ。1死一塁から、蝦名の2ランでトラのしっぽをついに捕まえた。 大興奮のスタンド。関根が倒れ2死になったが、まだこの男がいる。復帰4試合目で初めて6番から3番にまわった筒香だ。2ストライクからの3球目。岩崎のスライダーをバットに乗せた。打った瞬間、確信の雄たけびとガッツポーズ。6日の復帰戦で放った逆転3ランに続き、帰ってきた大砲が、またも劇的な決勝弾を右翼席にたたき込んだ。 「(決勝点が)たまたま僕だった。全員でコツコツ返しながら、最後にひっくり返せた」と振り返った日米通算225(ツツゴー)号。直前まで4打数無安打2三振と散々だったが、同点での打席で気迫と集中力は頂点に達していた。 「僕の中では、(山崎)ヤスアキが8回(表)を抑えて帰ってきた時にチームを鼓舞する姿は、心に感じるものがあった」 渡米前は絶対的主砲と守護神として、ともにチームを支えてきた。だが、自身が異国でもがいていた4年間、山崎も不振に陥った。負けている場面でマウンドに立った背番号19に、今季初白星をプレゼントした。 チームでは19年9月19日の広島戦(横浜)以来となる7点差逆転劇の総仕上げは、現主砲・牧の今季ハマスタ初アーチ。目の前で劇弾を見届け、「すごく楽な気持ちだった」と、左翼席最上段に5号ソロを運んだ。新旧主砲初のアベック弾。「前の打席でダメでも、ああいう場面で打つのはすごい。毎日学ぶことは多い」と、改めて先輩へのリスペクトを口にした。 今季2度目の2ケタ得点でつかんだ大逆転勝利に、筒香も「間違いなくチーム力としての団結、勝利を感じた」と満足そう。今季から主将の牧とともに、かつて5年間主将を務めた元リーダーが、まだ借金の残るチームを上昇気流に乗せる。(星野 和明) ◆記録メモ DeNAは阪神に7点差逆転勝利。前身を含め、DeNAの最多得点差の逆転勝利は、3度記録した8点差があるが、7点差以上は、19年9月19日の広島戦(横浜)以来、11度目になる。阪神戦では、75年7月26日(川崎)の8点差、84年5月27日(仙台)、13年8月20日(横浜)の7点差に次いで4度目。4度は7点差以上の逆転勝利の最多カードだ。
報知新聞社