時代を駆け抜ける総合芸術「クルマ」の肉体美を堪能せよ。雑誌「ENGINE」の装幀写真家、秦 淳司 ポートレート写真集『ENGINE ERA』発売!
雑誌『ENGINE』(新潮社)の装幀写真を長年撮り続けているフォトグラファー 秦淳司氏の写真集『ENGINE ERA』が11月14日(木)に発売された。 秦氏はファッション・カメラマンでもありながらクルマをこよなく愛する写真家の一人。2014年に雑誌『ENGINE』の「乗る車×着る服」というカーファッション・ページの撮影を担当し、翌年の2015年から同雑誌の顔となるクルマ自体の撮影を行ってきた。 今回、出版された写真集『ENGINE ERA』は、秦氏がその雑誌『ENGINE』の撮影で出会ったクルマの数々を記録した一冊。雑誌掲載用とは別のものとしてカットをまとめた、極めて希少価値の高い写真集だ。 秦氏がシャッターを切ったクルマの写真は、まるで人間を撮影したかのようなポートレート写真になることが特徴。 クルマ一台一台が持つ個性豊かな表情や細部に渡る造形美を、独特のフレーミングを用いて切り取る――その写真を見た感想として出る言葉は「官能的」。クルマに対する形容としては相応しくないようにも思うが、その艶やかなボディを見続けるうちに、否が応でも見る者の感情を刺激してくるのである。 掲載されるクルマの総台数は驚愕の114台。大衆車から数量限定生産のスーパーカーに至るまで、多種多様なクルマ達が顔を連ねる。なかには、現代では姿を拝むことが難しいヒストリックカーもラインナップ。ハイクオリティな写真で歴史的名車がプリントされているだけで、クルマ好きとしては胸が躍る一冊と言えよう。 写真集には、世界有数のカー・コレクターとして知られるラルフローレン氏の愛蔵品の数々も収録。ニューヨーク郊外にあるというガレージにも足を踏み入れ、コレクションを写真に収めている。 この歴史的にも類を見ない巨大カーポートレート集について、秦氏は次のように語る。 「フロントや中央、リアにエンジンを積むことによって生まれるフォルム。クルマが生き物のように見えるのはエンジンという心臓を内蔵しているからこそ。 ひとたびキーを捻れば鼓動を打つエンジンを抱きかかえるフォルムであるが故に、クルマは美しい。生命体のような金属の塊と対峙して、僕はその肉体を撮る。顔、腰、尻。それはポートレートを撮る作業に他ならない」(秦氏) 本写真集は、さながらクルマの「博物館兼美術館」。本文なんと336ページ、重量2.3キロもの重量感に仕上がったこの一冊は、クルマの歴史の証人ともいえる存在だ。 自動車は18世紀にフランスで発明され、以後様々な進化を遂げた。動力源も蒸気からガソリンへ、そして現在は電気自動車へと急速にシフトしつつある。本書は、その変遷を美麗なグラフィックで体感できる、唯一無二のパッケージと言えるのだ。 定価は圧巻の3万3,000円。安くはないが、ページをめくる読者に深い懐古と憧憬を刺激を与えてくれる。その価格だけの価値は、十分にあるだろう。 写真集の購入者は収録カットのプリント額装20%OFFで購入できる特典が付く。好きなページの写真を公式ページから注文することが可能だ。