しょっちゅう遅れる!? ── 阪和線・着々と進む「輸送品質向上計画」
今月から下り線高架化・人や車の移動円滑に
そんな不名誉なイメージの阪和線だが、JRも手をこまねいているわけではない。2013年には運行管理システムが更新され、ダイヤが乱れた際に回復計画を迅速に立てられるようになるとともに、駅員が「遅れている列車が今どこにいるか」を端末ですぐ分かるようになり、遅延状況を細かく案内できるようになった。 また、鳳・東貝塚・熊取の3駅では列車の折り返し設備を新設・強化し、運休となる区間や列車をなるべく少なくできるようにしている。例えば鳳駅以南で事故が起こった場合でも、鳳駅から天王寺方面へは1時間あたり8本の列車が運行できるようになった。ちなみに同様の取り組みは他の路線でも進められていて、たとえばJR京都・神戸線では吹田・尼崎・灘駅で完成、すでに運用されている。 さらに、2014年末には踏切の改善も実施。従来は列車が止まった場合、列車付近の踏切が閉まったままだったのだが、踏切を安全な状態で開けられるようシステムを改修し、交通渋滞の解消を図れるようにした。 そして、抜本的な対策として進められているのが東岸和田駅付近の高架化工事だ。 今月からは下り線が高架となり、残る上り線も2016年度末までの完成を目指して工事が進められている。これにより、1日最大8.6時間も閉まっていた7ヶ所の踏切がなくなり、人や車の移動が円滑になるとともに、踏切事故の危険も解消される。 見えるところで・見えないところで、日々進化しているJR阪和線。「汚名返上」できる日は近いのかもしれない。