青森港発着クルーズ船運航 宿泊など経済効果に地元期待 2024年唯一、青森市「新規の可能性探る」
青森市の青森港を発着拠点とするクルーズ船が11~13日の日程で、青森県と北海道を運航した。青森港は他港を発着拠点とするクルーズ船の寄港地として定着しているが、発着地となるのは2024年では今回の1船のみの予定。乗客の県内宿泊など発着地ならではの経済効果があり、同市は「青森港発着クルーズ」の増加を目指す考えだ。 寄港したのは、商船三井クルーズが運航する客船「にっぽん丸」(2万2472トン、全長167メートル、乗客定員400人)。11日に青森港を出発し、北海道を巡った後、13日午後1時40分ごろ、同港に帰港した。一部の乗客は下船後、観光バスに乗り込み、十和田市の宿泊施設に向かった。 青森港に寄港するクルーズ船は朝に到着し、その日の夜に出発するケースが多く、滞在時間が限られる。発着拠点となれば、出港前日や帰港後に県内のホテルに宿泊し、時間をかけて県内の観光地を巡ることができる。 群馬県在住の赤石金也さん(87)は「十和田市のホテルに泊まった後、十和田湖などを見てから帰る」と話した。 にっぽん丸の乗客が宿泊した「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」(十和田市)の掛川暢矢総支配人は「青森港発着のクルーズ船は乗客の滞在期間が長く、地域への経済効果が大きくなる」と期待感を示した。 青森市によると、青森港を発着拠点とするクルーズ船は年1回のペースで運航している。県内ホテルへの宿泊のほか、船会社による水や食材の購入などの経済効果が想定されるという。 青森市交流推進課の溝口篤史課長は「にっぽん丸に継続して運航してもらうよう働きかけるほか、新規の可能性を探りながら、船会社にセールスを行っていきたい」と語った。