思わず号泣した…『世界名作劇場』の人気を後押しした“愛くるしすぎる動物たち”の泣けるエピソード
「いいんだよ、ラスカル。行っていいんだ」 「パトラッシュ、疲れたろう? 僕も疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ……」 ■【動画】「とにかく泣ける…」YouTube全話一挙配信中の『ロミオの青い空』■ これだけで涙腺が崩壊しそうになるのは、決して筆者だけではないだろう。動物が出る作品は、いつもの倍泣けてしまう。 言うまでもなく、これらは日曜夜19時半枠のアニメ『世界名作劇場』(フジテレビ系列)で放送された『あらいぐまラスカル』と『フランダースの犬』の名シーンだ。同シリーズではほとんどの作品に愛くるしい動物たちが登場し、その人気を後押しした。そんな彼らの泣けるエピソードを振り返ってみた。
■少年と犬との強い絆に涙『名犬ラッシー』のラッシー
パトラッシュの名を出したからには、『名犬ラッシー』(1996年放送)のラッシーにも触れねばなるまい。 子犬のころから主人公・ジョンの親友としてともに過ごしてきたラッシーだが、ある事情から公爵に連れ去られ、ジョンと離れ離れになってしまう。それでもジョンに会いたいラッシーは公爵宅を抜け出し、600キロ以上離れた元の家へと帰ろうとするのだった。 ネス湖を泳いで渡り、野犬狩りに追われてボロボロになり、おまけに狼と間違われて銃で撃たれ、介抱してくれた優しい老夫婦の家もあとにして、ジョンを想い必死に進むラッシー。 そしてある朝、ラッシーが近くにいる予感で家を飛び出したジョンは、丘のはるか向こうに衰弱したラッシーの姿を見つける……。 原作でも映画でもドラマでも馴染みの内容だが、それでもラストは号泣必至だ。
■世代を越えて寄り添い続ける『ロミオの青い空』のピッコロ
犬は古くから人類の親友と言われるが、『ロミオの青い空』(1995年放送)では、オコジョ(イタチの仲間)が主人公を支えた。 煙突掃除夫として街に働きに出ることになった主人公のロミオに、勝手についてきてしまったオコジョのピッコロ。ロミオがピンチのときは小さな体で果敢に悪人に立ち向かい、友人・アルフレドが亡くなったときにはまるで慰めるかのようにロミオに寄り添い……と、ただ可愛いだけでなく頼れる親友であり続けた。 そしてラストシーン、大人になり子どもを抱いたロミオの肩には、おそらくピッコロの子孫と思しきオコジョが! きっと今度はロミオの子の良き友として寄り添ってくれるのだろう。 今、振り返れば、本作は人身売買や児童労働など重く暗いテーマを扱った作品だ。惨状のなかでひょっこり登場するピッコロは、ロミオだけでなく視聴者にとっても大きな支えだったように思う。