ドイツの高級ファッションECが「ネッタポルテ」買収を検討か 米投資ファンドも関心
ラグジュアリーECビジネスの難しさとは?
ファーフェッチやYNAPのほかにも、24年3月には英小売のフレイザーズ・グループ(FRASERS GROUP以下、フレイザーズ)が傘下の英ラグジュアリーECマッチズ(MATCHES、旧マッチズファッション)事業を管財人の管理下に置き、事業の一部もしくは全体の売却先を探していることを発表。一方で、4月にはマッチズの知的財産権など無形財産のみを買い戻した。
ラグジュアリーECビジネスの難しさが浮き彫りとなる出来事が続いているが、その要因として、オンラインでの販売、配送、返品対応など関する作業の煩雑さやそれらにかかる費用の高騰に加えて、取り扱いブランドの公式ECとの競争の激化や、コロナ禍が落ち着いたことによる実店舗への客足の回復などが挙げられる。なお、「マイテレサ」は現在、拠点のドイツ国内から商品を発送しているが、「ネッタポルテ」を買収した場合は、同社が持つ米国およびアジアでの配送システムを利用できるようになる。
また、「マイテレサ」は21年1月にニューヨーク証券取引所に上場しているが、別の情報筋の話によれば、非公開化を目指して複数の投資銀行と話し合いをしているという。