超豪華、ボルボ初のフル電動MPV「EM90」が登場。ライバルはアルファードか、レクサスLMか!?
EVは当たり前、ボルボが強調したのは「動くリビングルーム」
11月12日、ボルボが初めて手掛けた完全電動の6人乗り3列シートのプレミアムMPV(マルチパーバスビークル)、「ボルボ EM90」が上海で世界初公開された。同じく吉利汽車傘下の「Zeekr(ジーカー)009」とアーキテクチャーの多くを共用しつつ、独自のフィロソフィーをたっぷりと盛り込んだボルボ初のフル電動高級MPVは、同日より中国での予約受注が開始された。 【写真】ゴージャスなインテリアとスタイリングをもっと見る トヨタ アルファードが開拓した大きく豪華な3列シート車の市場は、とくに中国では富裕層に人気が高い。アルファードやレクサスLMに加え、BYDが展開する高級車ブランドDENZA(デンツァ)の「Denza D9」や、吉利汽車傘下の新興プレミアムブランドZEEKR(ジーカー)の「Zeekr009」が人気を博している。市場規模としてはまだ決して大きいわけではないが、ボルボが参入するとあって、中国のみならず世界中がその動向に注目していた。 「広々としたスカンジナビアのリビングルームで旅をしたいと思ったことはありませんか?」。EM90を前にボルボのジム・ローワンCEOが最初にアピールしたのは、EV性能ではなく、スカンジナビアデザインが提供する安らぎに満ちた車内空間だった。 ゆったりとした室内幅と足元のスペース、多彩な高級素材、いわゆる無重力クッションを備えたラグジュアリーなラウンジシート(2列目キャプテンシート)、上空を楽しめる大型パノラミックサンルーフ、スカンジナビアンデザインの美しいディテール、これらすべてが一体となり、移動中もクルマに乗っていることを忘れさせる心地良い空間を実現していることが強力にアピールされた。 室内空間には、スカンジナビアンデザインのディテールが随所に散りばめられている。ギアシフターに使用されているOrreforsクリスタルをはじめ、ダッシュボード、ドア、最前列シート背面のバックライト付きバーチウッドデコパネルなど、美しい素材とテクノロジーをシームレスに融合させたボルボならではのモダン・ラグジュアリーなセンスでまとめられている。 また、シート表皮の模様は霧に包まれた山々をイメージしており、バックライトのウッドパネルは竹林から差し込む光線の美しさを映し出すなど、アジアンテイストも巧みに盛り込んでいる。 EM90の特等席はラウンジシートと呼ばれる2列目のキャプテンシートだ。高密度ダンピング層を含む7層構造で厚さ120mmを超える無重力クッションが採用され、マッサージ機能、ベンチレーション機能とシートヒーター、そしてビルトイン・テーブルやカップホルダーなどすべてのアメニティを提供する。家族や友人を乗せるストレスフリーの特等席であると同時に、エグゼクティブのワークスペースとしての活用も推奨されている。 さらにルーフを覆うパノラミックサンルーフには、カーテンと任意に設定できる複数のアンビエント照明により本物のスカンジナビアのムードを演出する機能が盛り込まれるなど、動くリビングルームの実現というコンセプトはいたるところに盛り込まれている。