<いざ令和の春>センバツ鳥取城北 支える/2 打撃・走塁コーチ /鳥取
◇“スパイス”で個性伸ばす 霜村亮さん(33) 「強打の鳥取城北」を裏方で支える打撃コーチだ。「一人一人をしっかりと見て、その選手にあった“スパイス”を加えて個性を伸ばしたい」 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 部OBの遊撃手。大学進学後も高みを目指していたが、肩のけがを機に指導者の道へ。教育実習のため母校に通っていた2009年夏の鳥取大会でチームは初優勝。スタンドで観戦し、涙が出るほどうれしかった。 「バッティングは水もの」と言われるからこそ、選手には1スイングでも多く、バットを振ってほしい。みんなが「『これだけ振ってきたんだ!』と自信を持ってくれたら」と話す。 学校では教諭として社会科を教える。クラス担任でもある河西威飛(いぶき)外野手(2年)は「野球の時は厳しいが、クラスにいる時や、授業中は小ボケを挟んでみんなを笑わせてくれる」と意外な一面を明かす。 ◇ナインを励ます兄貴分 丹代零知(たんだい・れいち)さん(26) 主に走塁のコーチを務める。4人いるコーチの中では最年少で、練習メニューの一部を選手と一緒にこなすことも。藤元和虎内野手(2年)が「ランニング中に励ましてくれることもある」と言うようにナインのよき兄貴分でもある。 自宅本棚には何百冊という蔵書が並んでおり、理論面はもちろん精神面での助言は、豊富な読書で培ったたまものだ。最近印象に残ったのは新渡戸稲造の「武士道」と渋沢栄一の「論語と算盤(そろばん)」。「コーチとしての経験もまだまだ。周りから学ぶことしかない」と謙虚な姿勢を崩すことがない。 北海道出身。旭川南高を卒業後、京都産業大へ。今年故郷から出場する白樺学園は、現役時代、最後の夏に敗れた相手。「もし当たったら、何かの縁でしょうね」と笑う。=つづく