壊れゆくシャンデリア! バンクス・ヴィオレットが放つ〈セリーヌ〉の衝撃アートプロジェクト。
シャンデリア構造をヴィオレットは以前にも作ったことがあり、今回はそれらを再検討した新バージョンとなった。 「魅惑的でラグジュアリーな世界の代名詞であるシャンデリアは、少なくとも私の頭の中ではつねに解体を繰り返すもの、あるいは崩壊に向かって加速する華やかさの連続であるように見えるのです」(バンクス・ヴィオレット以下同) ヴィオレットの作品は現在、ドバイ、シンガポール、香港、北京、パリ、ロンドン、ミラノ、ニューヨーク、ロサンジェルスなどのフラッグシップストアのショーウィンドウに展示されている。 「各作品を特定の空間に適合させようとして作ったわけではありません。シャンデリアのフォルムそのものに反復性や連続性があり、それぞれの場所で異なる崩壊のしかたをしています。それぞれの店舗のスペースに合わせるというよりも、各所での展示の全体的な同一性を面白いと感じていました」 ヴィオレットのクリエイティブな仕事に対し、エディが介入することはなかったという。 「私がエディとの仕事で感謝している理由は、私たちの間につねに敬意と信頼があり、エディは私が最も良いと判断するものを制作させてくれたことです。もちろんロジスティックスや具体的な製作については何度も話し合いがありましたが、クリエイティブ面で組織的なルールや監督下に置かれることはありませんでした」
text_Mari Matsubara