「慟哭のリア」は9日まで。問い合わせは劇団俳優座（03・3405・4743）。

■早大演劇博物館で企画展

早稲田大学演劇博物館（東京都新宿区）では来年1月19日まで、「築地小劇場100年－新劇の20世紀－」展を開催中だ。約300点の展示で新劇史を俯瞰（ふかん）し、演劇だけでなく現在のテレビや映画などを支える人材を輩出した足跡を体系的にたどることができる。

前史となる明治期の川上音二郎らの紹介から始まり、築地小劇場を再現した模型では当時の舞台写真が映写され、ポスターなど在りし日の空気感を伝える。戦時下の弾圧や、移動演劇の展示も興味深い。戦後演劇界を牽引（けんいん）した〝新劇御三家〟文学座、俳優座、劇団民芸の貴重な資料もある。

企画を担当した東北大大学院の赤井紀美准教授は「築地小劇場が日本の近代演劇発展に大きな影響を与え続けていることが実感できるのでは」と話す。入場無料。問い合わせは同博物館（03・5286・1829）。（飯塚友子）

■築地小劇場

東京・築地に大正13年に設立された、日本最初の新劇専門劇場、かつ付属する劇団名。貴族だった演出家、土方与志が私費を投じ、その師である小山内薫らと創設。翻訳劇と日本の創作劇紹介に努め、5年間で100余編の内外戯曲を連続上演し、新劇運動の出発点となった。劇団は昭和4年に分裂、劇場は20年に東京大空襲で焼失した。