《ブラジル》聖南西教育研究会「目の前の人を大切に」 スマホ無し林間学校で地区交流
この2日間、生徒たちは自ら起床し、共に食事を作り、使わない日はないというスマホを使用せずに、様々な活動を通じて人との触れ合いや交流の時間に身を浸した。生徒同士の交流や新しい仲間を作るのはもちろんのこと、協力することや話し合うことの大切さ、また、しおりを見て自分たちで考えて集合、行動するなど、団体行動、集団生活に大事な様々な事を学び、学校の枠組みを超えた「聖南西日本語学校」の教育活動を体験した。 10月末に来伯し、ピラール・ド・スール日本語学校で教師として活動する川﨑奈央子さんは、「自校の生徒と他校の生徒が楽しそうに交流、青春する姿を見れてとても嬉しかった。自分の班に感情移入しすぎてしまい、コツコツ点数を上げていく姿に涙が出ました。教師という立場をつい忘れて応援に力が入りすぎてしまったことは反省ですが、貴重な体験をさせてもらいました」と興奮気味に感想を語った。 渡辺会長は「参加回数が多く、顔見知りも多い15、16歳の参加者が少なかったため、以前の盛り上がりには及ばなかったが、パンデミック期間を考えると今回は十分良かった。13歳の参加者が多かったので、来年以降は仲間意識が芽生えて、もっと盛り上がるはず。数年でパンデミック以前の状態まで引き上げる目標を掲げ活動をしているが、活動を再開した一昨年は『再始動(リスタート)』。地区行事全てを通常通り実施できた昨年は『助走(ホップ)』。今年は『加速(ステップ)』。そして来年、再来年に『完全復帰(ジャンプ)』と、順調に段階を経てきている」と日系社会で数十年継承されている「学習者が子供」の日本語学校、日本語教育の今後に確かな手ごたえを感じていた。