原付免許で乗れるPCXとCB125Rが登場?スーパーカブも存続?「新原付」の走行評価が実施された
運転特性を5段階で評価、年内にもまとめが発表される
技能試験官の走行評価や一般ライダーによる試乗会では、発進時、停車時、交差点、坂道、踏切通過時、スラローム、引き起こし、押し歩きなどの運転特性を原付らと比べて評価。「易しい、やや易しい、同程度、やや難しい、難しい」の5段階で判断した。 新原付のPCXは、現行PCXやベンリィと比較。同じく新原付リード125は現行モデルとギア、新原付ビジョン110はタクト、新原付スーパーカブ110は同50と現行110、新原付CB125Rは現行モデルおよびベンリィと比較した。 これらの結果報告は既に11月、有識者会議で報告済み。12月に第3回の検討会が開催され、年内に提言を取りまとめる予定だ。
懸念されていた不正改造の防止策をメーカーが提案
警察庁は、新原付の「不正改造防止策」についても公表した。これは国内二輪メーカーらで構成される日本自動車工業会が提案したもの。ユーザーによる不正改造で、出力ダウンさせた新原付のパワー制限解除を防ぐのが狙いだ。 出力制御の詳細な方法は未定だが、大きく分けると次のとおりになるという。 ① スロットル開度の規制等、物理的な制御(今回の試作車に採用) ② 燃料噴射コントロール等、ECU(ECU Engine Control Unit)による制御 ③ 両者の組み合わせ これに対し、不正改造を防止する方法は主に二つだ。まず一つ目は「物理的制御」。工場等で使用されている工具以外では、出力制御のために変更した部位にコンタクトできない特殊な構造とする。 二つ目は「ECUによる制御」。カードの差し替えや、断線、ショートなどによって出力制限を解除できない設計にする。いずれの方法でも一般人には「改造することが困難」という。今後は、法規体系への落とし込み、型式認証審査時の確認等に関して関係省庁と相談していく。 不正改造の防止は、「新原付」実現の課題だったが、これでクリアできるメドが立ちそう。関係者筋によると、このまま順調にいけば来春にはいよいよ「新原付」の詳細が正式発表される見込みらしい。 現在の原付一種に排ガス規制が適用されるのは2025年10月末日。それまでに新原付という新しい免許区分が生まれるか、引き続き注目していきたい。
沼尾宏明