20代後半の「派遣社員」です。このまま派遣社員を続けてもいいですか?
20代後半まで派遣社員を続けていると、「このままで本当に大丈夫?」といった不安を抱えてしまう方がいらっしゃるようです。実際に、そういった相談が寄せられることもあります。そこで、30代になっても派遣社員を続けていくメリットとデメリットを考えてみたいと思います。
派遣社員で働くことのメリット
派遣社員として働くことの利点を、まずは考えていきましょう。メリットはいくつかありますが、例えば下記のようなものがあります。 ●派遣元となる会社が存在するので、勤務先のトラブルが起こっても頼る先がある ●正社員として入社することが難しい企業などで働く機会が得やすい ●健康保険や厚生年金など、派遣元の社会保険に加入できる ●働く時間などが比較的柔軟で、副業をしやすい ●「無期雇用派遣」という、派遣元との雇用期間の定めがない派遣社員になれる可能性がある 細かいものを挙げればメリットはまだありますが、主にはこの6つになるでしょう。
派遣社員のデメリット
派遣社員として働くことのデメリットは、得られる賃金が少ないことが挙げられます。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、年齢や男女を問わずに見ると正社員(正職員も含む)の平均賃金は32万8000円になるようです。それに対して、正社員以外の場合は22万1300円になっています。 年齢別にみると、正社員の場合、59歳までの間は右肩上がりです。一方で、正社員以外はほぼ横ばいです。この点を考えると、派遣社員で働きつづけても大きな給与アップは難しいかもしれません。 また、派遣社員は雇用が安定していません。一般的に3ヶ月程度の契約更新を繰り返していくことになります。そのため、派遣先の業績変動などによって、正社員と比べて簡単に職を失いやすいです。 近年は雇用期間の定めのない無期雇用派遣もありますが、同じ派遣先で働きつづけられる保障もなく、さらには正社員のような額の給与や賞与、または待遇を得られるとも限りません。 加えて、派遣社員は契約範囲内の業務しか行えないことからキャリアアップがしづらく、転職においては職歴として扱われづらいというデメリットもあります。