本物そっくり?段ボール製のランボルギーニ「ダンボルギーニ」が完成
ダンボール製スーパーカー「ダンボルギーニ」を運ぶ今野社長ら
宮城県の段ボール加工会社が、イタリア製高級スポーツカー「ランボルギーニ」の原寸大模型を製作し、その本物そっくりの姿が話題を呼んでいる。写真をもとに図面を起こし、半年間かけて段ボールを加工し、完成した車体の名前は「ダンボルギーニ」。写真をSNSに投稿したところ大きな話題となった。製作した会社の社長は、「人口流出が続く地域に住む若者に、こんな面白いことをやっている大人が地元にいると伝えたかった」と語る。
段ボールで作った実物大スーパーカー模型「ダンボルギーニ」を製作したのは、宮城県石巻市の段ボール加工会社、今野梱包。6人がかりで半年間かけて製作し、11月4日に完成した。イタリアのスーパーカー「ランボルギーニ」の写真を見て、図面を起こし、約500個のパーツを組み合わせて製作したという。今野梱包は強化段ボールの加工を得意としており、「技術力の集大成」として段ボール製の「ダンボルギーニ」を作ったと、社長の今野英樹さん(43)は説明する。
こだわったのは、誰もが憧れる高級スポーツカーの「イメージを崩さずに再現すること」だという。今野社長は少年時代からスーパーカーに憧れていて、「ランボルギーニ」の大ファンだった。2年半前、小さな模型で再現することに飽きたらず、得意とする段ボール加工で作ることにした。最初は1/8モデル、次に1/2モデルを作り、ついに今回実物大モデルの完成にこぎつけた。今月2日に今野社長がツイッターに写真を投稿したところ話題となり、わずか1週間足らずで約1万リツイートに達した。 今野梱包のある石巻市桃生町は、若者の人口流出が続く。今野社長は、ダンボルギーニを作ることで「クリエイティブでかっこいい仕事をしている大人が、地元にもいるということを言葉ではなく示したかった」と語る。今野社長はダンボルギーニだけではなく、段ボールでガンダムの模型を製作したり、子供向けの恐竜模型を作ったりするなど、遊び心があふれる仕掛けで若者に仕事や地域の魅力を伝えようとしている。
残念ながらこの「ダンボルギーニ」は走らないが、ヘッドライトにはLEDランプが付いている。「ダンボルギーニ」のエンブレムは「本物」の猛牛ではなく、草を喰む乳牛。乳牛は、今野社長の愛用するサングラスをかけている。 「ダンボルギーニ」は、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県女川町で、今月23日から新たにオープンする駅前商店街の今野梱包のテナントで常設展示されるという。 (中野宏一/THE EAST TIMES)