韓国総選挙「最終世論調査」から見えてくる残念な未来…野党勝利で「文在寅の亡霊たち」が蘇る可能性も
明日、4年に一度の韓国総選挙
韓国で明日4月10日、4年に一度の総選挙が行われる。韓国の国会は一院制で、定員は300議席。うち小選挙区が254議席で、比例区が46議席である。 【写真】「旅行は日本、買い物は中国から」…止まらない「物価高騰」への韓国国民の不 来月10日で5年の任期のうち、2年が経過する尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権にとって、「中間選挙」の意味合いを持つ。ご本人はすでに、5日に釜山(プサン)で期日前投票を済ませている。その時の映像を見ると、心なしか疲れて見えた。 改選前議席は、尹錫悦大統領率いる与党「国民の力」が114議席。一方、尹大統領にとって最大の政敵である李在明(イ・ジェミョン)代表率いる野党「共に民主党」は、156議席。つまり尹大統領にとっては、「国会でのねじれ」を解消し、残り3年の任期でスムーズな政権運営を行うための総選挙だ。 この「2大政党」以外に、尹大統領にとってもう一人の「天敵」である曺国(チョ・ググ)元法務部長官(元法相)が、「共に民主党」を飛び出して、新党「祖国革新党」を立ち上げた。 文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代の2019年夏から秋にかけて、曺国法務部長官と尹錫悦検事総長が凄まじいバトルを繰り広げたことが、今回の対決の伏線となっている。「祖国革新党」は、小選挙区には候補者を立てず、比例代表に絞って20名の候補者を擁立している。 さらに他にも、「革新新党」「新しい未来」「自由統一党」「進歩党」「緑の正義党」……とミニ政党が乱立している。与野党とも離合集散が激しく、そのことも今回の総選挙の特徴の一つだ。 韓国では、投開票日まで一週間を切ると、世論調査を行うことが禁じられる。そのため、世論調査会社リアルメーターが、4月1日~3日に調査を実施し、5日に発表した選挙前の「最終調査」を、参考データとして挙げる。 【尹錫悦大統領支持率】 支持 36.8%(前週比+0.5ポイント) 不支持 59.8%(前週比-0.9ポイント) 【政党支持率】 国民の力 36.0% 共に民主党 44.6% 改革新党 3.7% 新しい未来 3.1% 自由統一党 3.0% 進歩党 1.6% 緑の正義党 1.4% 【比例代表政党支持率】 祖国革新党 30.3% 国民の未来(国民の力) 29.6% 共に民主連合(共に民主党) 16.3% もう一つ参考指標として、4月6日付『中央日報』が掲載した与野党の内部分析を示そう。 それによると、与党「国民の力」は、小選挙区254議席のうち、ほぼ当選を固めつつあるのが90議席で、激戦区が55議席と見ている。すなわち予測獲得議席は、90議席~145議席。 これに対し、最大野党「共に民主党」は、小選挙区でほぼ当選を固めつつあるのが110議席で、激戦区が50議席あると見ている。すなわち予測獲得議席は、110議席~160議席である。 激戦区を地域別にもう少し詳しく見ると、以下の通りだ。 ●ソウル特別市(定数48議席) 国民の力 15議席 共に民主党 10議席 ●仁川市・京畿道(定数74議席) 国民の力 11議席 共に民主党 10議席 ●大田市・世宗市・忠清道(定数28議席) 国民の力 13議席 共に民主党 10議席 ●釜山市・蔚山市・慶尚南道(定数40議席) 国民の力 13議席 共に民主党 15議席 ●江原道(定数8議席) 国民の力 3議席 共に民主党 4議席