「転売ヤー」に対抗、警備の仕事を続けながらガンプラ愛伝える店長 自力改装した農村のプラモデル店に愛好家続々
自力で離れを改装、「時を忘れる楽しさ」伝えたい
行動は早かった。警備会社で交通誘導の仕事をしていた時、建物の解体や改装を毎日見ていた経験が生きた。自宅の離れにある自室兼倉庫の改装に取りかかり、多くの作業を自力でこなし、思い立ってから8カ月後の2022年8月、開業にこぎ着けた。
ロボット系を中心に車や飛行機、ミリタリーなど千点を超える商品が並び、工具や塗料も「自分で使って良かった物」をそろえた。1点10円~150円の駄菓子を店の入り口付近に置き、親子連れも入りやすくした。現在、平日は進さんに店番を頼み、収入を補うため交通誘導などの警備の仕事をしながら土日曜と休日、店頭に立つ。
28日夕、飯山市の男性客が小学生と幼児の娘2人を連れて初めて訪れた。山岸さんの勧めで、アニメのキャラクターを題材にした接着剤を使わない子ども用のプラモデルを購入していった。
「時を忘れて楽しめるプラモデルの魅力を子どもにもっと伝えたい」。工事現場の交通誘導の仕事に汗を流し、日焼け顔の山岸さんがこの日一番の笑顔を浮かべた。 (松崎林太郎)