衆院選 大激戦制した非公認の萩生田光一氏「政治家として生まれ変わった」 笑顔見せず「多くの同志が議席失った」
自民党派閥裏金事件を受けて非公認となった東京24区の萩生田光一元政調会長(61)は、大激戦を制して当選を確実にした。当確の一報は27日深夜にずれ込み、東京都八王子市内の選挙事務所で目を潤ませながら「政治家として生まれ変わって、新しい命を吹き込んでいただいた」とあいさつした。 旧安倍派幹部だった萩生田氏は裏金事件に加え、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係も指摘され、厳しい逆風にさらされた。立憲民主党は教団問題にも詳しいジャーナリストで元参院議員の有田芳生氏(72)を送り込み、批判を強めた。 有田氏をかわして当確の報が入ると、選挙事務所に集まった100人以上の支持者らからは拍手や歓声が沸き起こった。緊張の面持ちで事務所に現れた萩生田氏は、裏金問題に触れながら「『やっぱり萩生田でよかった』と皆さんに言ってもらえるように、国会に戻って働く」と誓った。 選挙戦の12日間、ずっと選挙区の八王子にとどまったのは初めてだという。萩生田氏は「原点に戻った選挙だった」と感慨深げに振り返った。「ホッとしているのが正直なところ」と心境を明かしつつ、「多くの同志が議席を失った」と笑顔はみせなかった。 選挙戦終盤に表面化した、党から萩生田氏ら非公認候補が代表を務める党支部への2000万円支給については「寝耳に水で、選挙中に交付金が別の口座に入ることを(事務所の)誰も想定していなかった」と説明した。萩生田氏は既に、この2000万円は返金したことを公表している。