気持ちが落ち込んだ時に一部の人がなりやすいとされるのが「ひきこもり」です。コロナ禍以降変わりつつある「ひきこもり」の実態を取材しました。 九州大学病院の精神科の医師、加藤准教授。ひきこもりの研究を行っています。内閣府の調査によりますとひきこもり状態にある１５歳から６４歳の人は全国に約１４６万人いると推計されていて、休み明けは注意が必要だと加藤准教授は話します。 九州大学医学部　精神科　加藤隆弘准教授 「学校や職場でちょっとしたストレスがたまると、こうした休みを契機にあす行きたくないと（ひきこもりの）引き金になりやすい」 厚生労働省はひきこもりを「会社や学校に行かず社会参加を避けて、半年以上家にとどまること」と定義していますが加藤准教授はコロナ禍で大きく変わったといいます。 「コロナ禍でひきこもりの考え方が大きく変わった。在宅ワークやオンライン授業で家にいても生産的なことができるようになった。幸せなひきこもりというキーワード」 学校や仕事に行けないなど本人が困っている状態にあることが「病的ひきこもり」とされているのに対し「幸せなひきこもり」は在宅ワークやオンライン授業の普及で本人は充実した生活を送っている状態のことを意味します。一方でいつの間にか 運動不足などに陥るリスクもあるという「幸せなひきこもり」。加藤准教授は今回、「病的」・「幸せ」、いずれのひきこもりに気付くことができるチェックシートを開発。これからそのうちの３つの質問を紹介します。テレビをご覧のみなさんも一緒に考えてみてください。 質問１この１カ月間、ゴミ捨てやコンビニに行くなど、「短時間の外出」は週に何回ありましたか？ 質問２この１カ月間、質問１の「短時間の外出」以外の仕事や学校など「合計１時間以上の自宅からの外出」は週に何日ありましたか？ 質問３「合計１時間以上の外出」が週３日以下の状況はどのくらい続いていますか？ この質問のうち一つでもゼロ以外の回答があった場合は「ひきこもり」になっているまたはなる恐れがあるということです。 「ひきこもりは特別な人だけがなるのではなく実は自分たちでもちょっとしたきっかけでなりうる。時々アンケートを使ってほしい」 チェックシートは加藤准教授が代表をつとめるひきこもり研究ラボのサイトで公開。今後、うつ病などの予防につなげたいとしています。