【大学野球】綱川真之祐の一打で中大がサヨナラ勝ち「ホッとしました」24日に青学大と優勝をかけ直接対決
◆東都大学春季リーグ戦第3週第3日▽中大2X―1日大=延長10回タイブレーク=(21日・神宮) 中大がサヨナラ勝ちを決め、勝ち点を4に伸ばし、単独首位に躍り出た。1―1のままタイブレークに突入し迎えた延長10回裏1死満塁、代打・綱川真之祐(3年=健大高崎)が投手強襲の内野安打を放ち、サヨナラ勝ちを決めた。 ヒーローのもとへ、ナイン全員が笑顔で駆け寄った。「真っすぐを狙ってコンパクトに振ろうと思っていました」という打球は投手を強襲した。試合を決めるサヨナラ内野安打に「(打った瞬間は)ピッチャーゴロでゲッツーかと思いました。ホッとしました」と綱川は柔和な笑顔を見せた。 タイブレークによる無死一、二塁から先頭の皆川岳飛右翼手(3年=前橋育英)が犠打を決め1死二、三塁。次打者の野呂田漸捕手(3年=秋田中央)が申告敬遠で歩かされ1死満塁。ここで山本聖二塁手(4年=鹿屋中央)に代打・綱川が告げられた。ベンチから「打ったらヒーローやぞ」という声が飛ぶ。気合を入れるため、繁永晟三塁手(3年=大阪桐蔭)に背中をバシっとたたかれ送り出された。「山本さんから『頼むぞ』と言われたので、やってやるぞという気持ちで打席に入りました。大事な場面でチームに貢献できてよかったです」。気持ちのこもった一打で試合を決めた。 綱川は1年生の時から捕手として試合に出場していたが、2年生の秋から同学年の野呂田にスタメンマスクを譲り、ベンチを温める日々が続いている。だが、「チャンスをもらったときに結果を出して、今すぐにでもレギュラーを奪い返せるように」と日々黙々と練習に励んでおり、清水達也監督(59)も「日頃から練習もしっかりやっているし、いつでも準備はできているような子だと思っている」と全幅の信頼を寄せている。 これで中大は勝ち点を4に伸ばし単独首位となった。24日からは優勝をかけ2位・青学大(勝ち点3)との直接対決。中大は1回戦で青学大に敗れているため優勝には2連勝が必須の条件となり、2連勝の場合のみ2019年秋以来の優勝が決まる。青学大が勝つと、青学大の3季連続優勝となる。 試合後の会見では「負けられない。全員で」という言葉が繰り返された。熱く燃える中大が、一致団結し優勝を目指して突き進む。
報知新聞社