72歳でデビューの吉本芸人・おばあちゃん 乳がんステージ4で手術も挑戦を続ける秘けつ
■38歳で乳がんステージ4、47歳で大学入学…波乱万丈の人生
72歳で吉本興業からプロの芸人としてデビューしたおばあちゃん。これまで、波乱万丈の人生を歩んできました。 会社員として働いていたおばあちゃんは、38歳の時に乳がんのステージ4を宣告されました。当時について、「そこまで風邪ひいて寝たっていうこともなかったんですね、生まれてこの方。本当に病気というものは無縁だったんです。38歳の時に、なぜか胸のところにしこりがあるって感じて。ただ言われた時は、私も最初“この先生おかしいんじゃないの”とかって思った。信じたくないっていうのは強くありました」と振り返りました。
乳がんの手術をしたあと、1年後に卵巣、その6年後に子宮にがんが転移し、入退院を繰り返していたというおばあちゃん。しかし、47歳で放送大学教育学部に入学しました。 入学を決意したことについて、「大学に行こうと思ったのは、もう子供の頃からです。私たちの時代っていうのは、特にうちの母の考え方っていうのは、女の子は勉強することないと。勉強しようと思ったら電気消すんですよ。私はもうとにかく、学校だけは行きたいって思ってたんですね」と語り、「乳がんという経験をした時に、お医者様では分からない女性だけの苦しみというのがあった訳ですね。例えば、そこの部分を全部肋骨が見えるくらい、それだけの胸を取ってしまって。こういう面で、なにか世の中のためにならないかなって思ったんです」と明かしました。 その後、自身の経験をもとにした乳がんにまつわる研究を進め、論文を発表しました。現在は、がんの治療も落ち着き、検診を受ける程度になったといいます。
■退職後、71歳で吉本の養成所・NSCに入学
勤めていた会社を、64歳で退職したおばあちゃんは「若い頃から、老後は自分の好きなことをしていきたいなって、楽しみたいっていうのがあった」と明かし、壊死(えし)していた膝の手術を続けながらも、講演会に出向いたり、高齢者劇団のピンチヒッターとして舞台に出演したりと、“自分が本当にしたいこと”を探し求め、子供の頃から好きだった“お笑い”にたどり着いたといいます。 困難を乗り越え、挑戦を続けるおばあちゃん。何歳になっても挑戦し続けられる秘けつを聞くと「やりたかったらやる。今しかチャンスないです。チャンスは逃さないってこと。そうすると、周りの人が本当に協力してくれる」と明かし、「何事も人のせいにしない。親ガチャとか子ガチャだとか言うけど、そんなの関係ない。クヨクヨしたらあかん。とにかく明るくするしかないと思うんですよ。だから、何でも楽しく感じることですね」と笑顔を見せました。