<高梨謙吾>アニメ「村井の恋」は「いい意味で100%裏切られます」 高い熱量で村井を演じる
「一般的な会話劇を中心とした作品の中でも情報量がめちゃくちゃ多いです。アニメの台本は、カットごとに分かれているのですが、せりふが書かれてないカットがないんです。誰かがしゃべっている裏で、ほかの誰かがしゃべっている。すごいせりふ量で、これまで出演してきた中でもダントツの多さですね。文字を追わず、掛け合う相手に集中しようと、せりふを自分になじませた状態で現場に行きたいと思っていたので、準備に時間をかなり使いましたね。それが大変でした。皆さん大変だったと思うんですけど……(笑い)」
高梨さん、日笠さんに加え、春夏秋冬役の島崎信長さん、桐山役の天崎滉平さん、平井役の石谷春貴さんら豪華声優陣が出演する。
「主役をやらせていただいていて、座長ではあるのですが、僕はグイグイ引っ張って、盛り上げるタイプの人間ではありません。ただ、現場ではみんなコミュニケーションが活発だったと思います。アドリブが多く、『ここにこの絵があるのでよろしく』となることもありました。後ろに控えている方々はニヤニヤして、やっている人は汗ダラダラになったり(笑い)。ものすごく熱量があって楽しい現場でした」
アドリブが多く、テンポも速いとなると、ハードな収録になりそうだ。共演者から刺激を受けながら、村井役を全うした。
「ギャグなので、テンポを大事にしようとすると、この尺にこのせりふ量を入れるのは、ニュアンスの込めどころが難しく、悩みましたね。尺が短ければ短いほど、皆さんにちゃんと伝わるように演じようとしました。言葉の裏側までちゃんと相手に伝えられるようにしたかったので、掛け合いで収録できたのは、ものすごく大きかったです。そのテンポがあるからこその面白みが生まれたり、ニュアンスが殺されるからこそ、逆に伝わるものもあったりしますし、流れに乗ろうと思っていました。多分皆さんもそうされていたんじゃないかな? 現場に行かないと出ないものばかりでしたし、同じことを今もう一度やろうとしても多分無理です。それくらい熱量が生まれていました」