災害体験シアターで防災意識高めて ── 大阪「津波・高潮ステーション」
「大阪は地震と台風の両方に気を付けなアカン」
大阪府南部から地域の仲間と訪れたシニア男性は、1950年のジェーン台風災害の体験者。大型台風が大阪を直撃し、高潮による浸水被害で多くの死傷者を出した。
男性は当時、大阪市港区の小学生だったという。館内に展示されている写真パネルを見ながら、「周囲が浸水し、高校の校舎に逃げ込んで助かった。電柱が倒れるほどの猛烈な風や、荷馬車用の馬が押し流される濁流の勢いが怖かった。家を失い、仮設住宅で2年ほど生活していた」と振り返る。「体験シアターの映像は臨場感があって分かりやすい。大阪は地震と台風の両方に気を付けなあかんな」と話していた。 同治水事務所の担当者は「府民の皆さんは、津波や高潮の怖さを、ニュース映像などを通じてご存知でしょうが、なかなか実感が伴わない。当施設を見学して、大阪は津波や高潮の危険にさらされていることを実感し、日ごろからすばやく避難するための対策を講じてほしい」と呼びかけている。 3月8日、東日本大震災追悼イベント「ぼう祭のつどい」を開催。南海トラフ地震に関する講演や家族で参加できる防災イベントが予定されている。事前予約は不要。入館無料、開館時間は午前10時から午後4時まで。休館日は火曜日(祝休日の場合は翌平日)と年末年始。詳しくは津波・高潮ステーションの公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)