安倍なつみ「どこにフォーカスして生きているか」コンプレックスとの向き合い方:インタビュー
安倍なつみが、映画『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』に(12月15日公開)に吹替声優として出演。前作映画『パウ・パトロール ザ・ムービー』に引き続きリバティを演じる。“パウパト”の愛称で大人気、テレビ東京系で放送中、現在放送5年目を迎えたアニメシリーズ『パウ・パトロール』の劇場版最新作。巻き起こるさまざまなトラブルに立ち向かうリーダーのケントと、個性豊かな子犬たちからなるチーム「パウ・パトロール」が、「パウっと解決!パウフェクト!」を合い言葉にそれぞれの特技を生かして大活躍する。インタビューでは、劇場版最新作に出演が決まった心境から、前作からの変化、コンプレックスについて話を聞いた。 ■リバティのポジティブな姿勢を見習いたい ――前作に続いての出演ですが、お話を聞いたときはどんな心境でした? リバティがどんな形でメンバーと関わってストーリーに出てくるのかということ、今作にもリバティが登場することがすごく楽しみで嬉しかったです。前回の流れで少し登場するぐらいなのかな? と思っていたのですが、たくさん活躍していたので、「すごいじゃん! リバティ」と嬉しくなりました。 ――リバティを演じるにあたりどのようなことを意識されていたのでしょうか。 リバティはテンションが高いキャラクターなので、高いテンションを意識しました。その後は新キャラでジュニアパトローラーズのナノ・ミニ・プチを鍛え上げるというシーンは、いつも以上にスイッチを入れて挑ませていただきました。 ――安倍さんはリバティのどんなところに魅力を感じられていますか。 リバティは好奇心旺盛で明るくて元気いっぱいな、はなまる満点な女の子です。パウパトメンバーに憧れて、そこに加わりたいと言う強い思いが叶ってメンバーになることができました。どんな困難に直面しても前向きなパワーで立ち向かう事ができる魅力的な女の子です! ――リバティだけマイティパワーが使えないのに、前向きに捉えてましたよね。 そうですね。今ある状況を受け入れて自分に出来る事は何か…と考える。人と比べる事をせずとにかく前を向く力がリバティにはあります。見習いたいですよね。 ――本作の見どころは? 前作から音楽と映像共に“パウジョンアップ”していて、スケールが大きくなっています。ケントもすごく大人びて見えました。一度肯定してから本題に入るシーンなんかは「ケントってこんなに大人だったっけ?」と感心してしまいました(笑)。パウパトメンバーがマイティパワーをもらった事で、みんながパウジョンアップしたこともあり、全てがググっと上がった印象もあります。スカイが隕石に立ち向かうシーンは大人が観ていても心にグッとくものがありますよね。メンバー同士助け合ってチーム全体で乗り越えていくシーンなど、勇気付けられるようなメッセージで溢れていますし、観た方はどんな感想を抱くのかなと今から楽しみです。たくさんの子供たちに触れていただきたい作品です! ――前作のアフレコでは、お子さんにバレないように夜な夜な練習したとお聞きしていますが、今回はいかがでした? 子供達がいると集中できない事もあって、今回も1人の時間に練習していました。(笑)子供達はチラシを見つけると「ママ!またリバティやるの?!」などと聞いてくるのですが、前回はぼんやりと答えていた事も、今回は「そうなんだよ~」と答えたら「やったー!すごい!」と喜んでくれました。 ――さて、ご自身が演じたリバティの吹替を客観的に見てどんなことを感じました? はなまる満点パーフェクトでしたね!(笑)今回は前回のリバティが自分の中にまだ残っている感じもあったので、収録中やりながら蘇ってくる感じがありました。ナノ、ミニ、プチのシーンは結構大変だったのですが、ケントに任されたからには頑張ろうと更なるスイッチを入れて挑ませていただきました。 ――セリフの掛け合いのシーンは他のキャストさんもいる中でアフレコされたのでしょうか。 いいえ、前回と同じように1人で録らせていただきました。ナノ、ミニ、プチとのシーンは一部既に録られているとのことでしたので一度そちらを聞かせていただきましたが、とにかく可愛くてたまらなかったです!声からイメージできることがたくさんあるので聞かせていただけて良かったですし、更にリバティのやる気スイッチが入りました。 ■何を大事にして、どう生きるというのが大事 ――ナノ・ミニ・プチをトレーニングするシーンはスパルタ気味でしたが、安倍さんのお子さんも同じく3人、重なる部分はありましたか。 意識はしていなかったのですが、確かにそうですね。でも、私はたぶんもっと厳しいですよ(笑)。 ――子育てはどのようなスタンスでされていますか。 感情的になってしまうと疲れてしまうので、自分自身の情緒も守りつつみたいなところはあります(笑)。長い時間子どもたちを見ていると、ある程度見守るスタンスでいた方がよかったりすることもあります。子育ての中で子どもたちから学ぶことは多いですし、私も日々鍛えられています。 ――パウパトメンバーのスカイは自分が小さいということに対するコンプレックスがあるというのも今回の 1 つテーマかなと思うのですが、安倍さんはコンプレックスに対してどのような向き合い方をされていますか。 私は自己肯定感がものすごく低い人間なので、何か成し遂げた後も「まだ足りない」と思い続けていました。特にグループで活動していた頃は、本当にこれで良かったかな?等と考え、自分の中でよく反省会をしていました。周りの方に喜んでもらったり、ファンの皆さんが喜んでくれたりするのが後々わかると、やっとこれでよかったんだと実感することができるんです。これでよかったというところに落ち着くまでがすごく長くて。ポジティブでいたいと思うけれど、ネガティブな部分も持ち合わせているのでそこに落ちすぎないようにしています。おまじないじゃないけど、「大丈夫、大丈夫」というのが口癖になっています(笑)。 ――SNSなどでエゴサされたりしますか? いまは子育てに集中しているのもあり、世間の評価などはあまり見ないようにしています。人それぞれ 1 つの物事に対して受け取り方も違えば、選択の仕方も違うと思うので、何を大事にして、どこにフォーカスして生きてるかというのが大事なのではないかなと思っています。 ――悪い意見も遮断できるからこそ深く落ち込んだりしないわけで。 そうです。普段の生活において余計な情報、必要がないものはいれない。見て落ち込む位なら見ないほうがいいですよね。 ■いまのモー娘。は当時とは別のグループみたいな感覚 ――さて、11月28日にモーニング娘。’23のライブ にゲストで出演されますが、ライブに参加することを決めたのは、これまでとは気持ちの変化があったのでしょうか。(※取材時) お話をいただいてからすごく考えました。まず今まで応援してきてくださったファンの皆さんと、これまで頑張ってきてくれた後輩達にありがとうと、これからもよろしくねという沢山の気持ちがありました。今の自分の状況やブランクもありましたので、悩みましたが何より25周年!感謝の気持ちを伝えたくて出演を決めました。奇跡的なことでもありますしほんとうに感慨深いです。本番頑張ります! ――横浜アリーナという場所にも思い入れがありますよね? はい。横浜アリーナはデビューイベントを行った場所なのですが、蓋を開けてみれば前列程しかお客さんがいないような状態でした。当時のマネージャーさんに「現実を知りなさい」といった厳しいお言葉をいただいて、悔しくて悔しくて…泣きました。そして、いつか、ここ横浜アリーナをいっぱいにできるようなアーティストになろうねと誓った場所でもあります。それから自分の卒業式を行った場所でもあります。そういったことが重なり、今回の出演を決めました。 ――安倍さんから見て今のモー娘。はどう見えていますか。 私が在籍していた時よりも、ダンスも歌唱力もとても完成度が高いので、本当にモーニング娘。!?と驚くこともあります。私たちの頃は素人から鍛えられて成長していくといった感じもあり、常に必死でした(笑)皆さんが応援してくださって、育ててくださって大きくなれたグループです。この先も時代や国境をも超えて更に多くの方に愛されるグループに成長していって欲しいと思っています! ――モー娘。の曲で安倍さんがモチベーションが上がる曲は? 「そうだ!We're ALIVE」です。かなり、かなり、上がります! 楽曲がとにかくカッコいいです! この曲ならではの歌い方、表現を楽しんでいただきたいナンバーです。印象的なフレーズや背中押されるメッセージがふんだんに散りばめられているので今こそ、聴いていただきたいナンバーです! ――ちなみに普段はどんな曲を聴いていますか。 今は、ライブ本番が近づいているということもあってダンスナンバーなどアップテンポの曲をよく聴いています。子供たちのいない時は音量大きめのボリュームで低音もきかせながら聴くのが好きです。ゆっくりしたい時はクラシックやチル等その時々のテンションで曲を流しています。子供たちもその曲を聴いて踊ったりしています。そういえば、何気なく聴いているけれど、あの曲なんていうアーティストの曲なんだろうってこともしばしばです。(笑) ――あはは(笑)。音楽がお子さんたちとのコミュニケーションにもなっているんですね。 そうなんですよね。ただ、ハロウィンの時は雰囲気に合わせて“ゴースト感”のある曲を流したら0歳の赤ちゃんが泣いちゃって、「ごめんごめん、怖いよね」って。流す曲も気をつけなきゃなと思いました(笑)。 (おわり)