速けりゃいい? 2シーターのMRが条件!? 永遠のテーマ「スーパーカーってなんぞや」をスーパーカー大王が考えてみた
スーパーカーの上をいくとされるハイパーカーにも定義なし
それでは日本のメーカーから誕生したモデルはどうか。たとえば日産のGT-Rと光岡のオロチ(大蛇)。 前者はレースの世界から導入された技術を積極的に活用し、圧倒的な速さを実現したモデル。そのスタイリングには賛否があるものの、パフォーマンス的にはスーパーカーのジャンルに完全に入る一台と考えていいだろう。 一方のオロチは、メーカー自身がファッションスーパーカーという特別なカテゴリーを作り出し、そのために性能よりもむしろ扱いやすさを重視したエンジニアリングが施された一台。そのスタイリングだけで視線を集められるという点では、これもスーパーカーのひとつの条件をクリアしているのだが、性能面でのハンディはやはり致し方のないところである。 一方で、トヨタのLF-A、2000GTといったモデルには、いずれもスーパーカーとしての実力、そしてオーラがあった。 ならばポルシェやメルセデス・ベンツ、あるいはBMWに代表されるドイツ勢はどうなるのか。 ポルシェならば一連の911シリーズ、そしてほぼ10年ごとに発表される、959、カレラGT、918スパイダーといったスペシャルモデルも、それをスーパーカーと呼ぶことに異論はない。 メルセデス・ベンツならSLRマクラーレンやSLS-AMG、そしてAMG-GTなどがスーパーカーの候補なのだろうか。 そうそうアメリカにはシボレー・コルベットというヨーロッパ・ブランドを脅かす存在のスーパーカーもある。 そもそもの定義がないスーパーカー。最近ではそのさらに上をいくハイパーカーの世界を含め、議論はますます白熱していくのだろう。もちろんここで紹介したモデルもまた、筆者自身の個人的なセレクトにほかならない。
山崎元裕