<私の恩人>亀田興毅 やっと、やっと“恩返し”できそうなところまできた!
今、オヤジはセコンドライセンスをはく奪されてますんで、息子の試合であってもセコンドにつくことはできない状態。これはオレらがどうこう言う話ではないし、オヤジもオレらには何も言いません。でも、息子としては、オヤジにセコンドについてもらいたいし、もう一回ライセンスが戻ってきて、兄弟3人がチャンピオンになった状態で、今年の大みそかに大きな試合ができたら、こんなにうれしいことはないです。 オレもボクシングをやって10年。正直、先は長くない。なんぼできても、30歳までやと思ってますし。 昨年9月、オレにも長男が生まれました。昔は、子どもができたらボクサーにしたかったんですけど、今は、ようさせません。自分がやってきて、どんだけ厳しいか分かってますしね。負けたら終わりの世界ですから。ま、ウチの息子はかわいらしい顔をしてるので、ボクシング向きやないというのもあるんですけど。結局、親バカですみません(笑) だからこそ、自分もボクシングを経験しながら、オレたちに本気でボクシングを勧めてくれたオヤジは改めてすごいと思います。 ボクシングをやって、チャンピオンになってなかったら、誰もオレの話なんて聞いてくれへん。相手にもされへんかったと思います。 今のオレがあるのはボクシングのおかげ。そして、ボクシングをやらせてくれたオヤジのおかげ。これから少しずつでも、恩返しをしていこうと思います。 (聞き手/文責 中西正男) ■亀田興毅(かめだ・こうき) 1986年11月17日生まれ。大阪府大阪市出身。父の勧めで11歳からボクシングを始め、17歳でプロに。2006年、WBA世界ライトフライ級王者になる。その後、WBC世界フライ級、WBA世界バンタム級でもチャンピオンになり、日本人として初の3階級制覇を果たす。12年、結婚し長男が誕生する。 ■中西正男(なかにし・まさお) 1974年大阪府生まれ。大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。大阪報道部で芸能担当記者となり、演芸、宝塚歌劇団などを取材。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、芸能ジャーナリストに転身。現在、関西の人気番組「おはよう朝日です」に出演中。