戦前からのトマトの産地、“農家メシ”がB級グルメに 懐かしく新しいご当地グルメ「北本トマトカレー」
■大正時代から栽培 北本市内のトマト生産の歴史は戦前までさかのぼる。米国へ輸出する種を取るため、1925(大正14)年に石戸地区で植え付けた記録がある。当時は日本でトマトを食べる習慣はあまりなく、種を採取後、果肉は捨てていた。 しかし、種の輸出事業は失敗し、果肉を活用してトマトクリーム(現在のトマトペーストのようなもの)を生産するように。都内のホテルで使われるなど人気となり、北本のトマトは「石戸トマト」のブランドで広く知れわたった。しかし、戦争の影響で加工工場は閉鎖され、北本のトマト生産は一時途絶えた。 戦後、トマト生産は再開され、トマト大福などの関連商品も開発された。2011年に北本トマトカレーが「第9回埼玉B級グルメご当地グルメ王決定戦」で優勝すると、翌年に市民有志や飲食店などで「北本トマトカレーの会」(落合真一会長)が発足。県内外のグルメイベントなどに参加している。 トマトカレーの提供店舗は、うどん店やインド料理店など14店舗。3カ条((1)ライスをトマトで赤くする、(2)ルーにトマトを使用、(3)トッピングにトマトを使用)を守っていれば、アレンジは可能。多様なトマトカレーがあり、毎年夏ごろに各店を巡るスタンプラリーも行われている。