『かがみの孤城』©︎2022「かがみの孤城」製作委員会

　日本テレビ系『金曜ロードショー』にて、2月9日に『かがみの孤城』が地上波初放送されることが決定した。 【写真】芦田愛菜演じる謎の少女「オオカミさま」 　本作は、2018年本屋大賞を受賞、累計発行部数200万部を超える辻村深月のベストセラー小説を、『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ！オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』の原恵一が監督を務め映画化した劇場アニメ。日本アカデミー賞の優秀アニメーション作品賞にも選出された本作が、『金曜ロードショー』にて地上波初放送される。 　主人公・こころを當真あみが演じたほか、北村匠海、吉柳咲良、板垣李光人、横溝菜帆、高山みなみ、梶裕貴、矢島晶子、美山加恋、池端杏慈、吉村文香、藤森慎吾、滝沢カレン、麻生久美子、芦田愛菜、宮﨑あおいらがキャストに名を連ねた。 　学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの中学生6人がいた。さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。期限は約1年間。戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。 そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、ある出来事が彼らを襲うーー。 　原作者である辻村が本格ミステリー作家ということもあり、謎解き要素が多く散りばめられているところが本作の魅力となっている。 　1つ目の謎は、鏡の中の城にこころを含め7人を招き入れたオオカミのお面を被った謎の少女「オオカミさま」。「鍵を見つければ願いが叶う」という鏡の中の城のルールの他にも、ヒントも教えてくれる。あどけない一面やかわいらしい一面も出てくることも。しかし、その目的はなんのか、正体は誰なのか、そもそも正体があるのか、とすべてがミステリアスな存在となっている。そんなオオカミさまの声優を担当したのは芦田は、お面で表情が見えない分、セリフにどういった感情を乗せるべき悩みながら演じたという。 　2つ目の謎は“鏡の中の城”。宮殿のような内装、大きな暖炉の部屋、大理石の床などが特徴的な鏡の中の城。異世界に集められた7人は、ここで“願いの叶う鍵”を宝探しすることになるが、そもそもなぜこの7人だったのかという謎が、映画全体を通しての大きな謎として解き明かされていく。この城をデザインしたのは、『攻殻機動隊SAC』シリーズのキャラクターデザインなどを担当するアニメデザイナーのイリヤ・クブシノブ。原監督は、城の内装をデザインしていくにあたり、ヨーロッパの城を知るクブシノブの視点を求めていたという。 　3つ目の謎は“かみ合わない会話”。城の中で、同じ時間を過ごしながら、話をしていくにつれて7人は打ち解けていく。そして、あるとき1人を除く全員が、同じ中学校の生徒であることが判明する。同じ学校であれば、現実世界でも会えるのではないかと期待するも、現実世界の中学校に登校してみても7人は会うことができなかった。作中では、節々がどこか噛み合っていない会話が展開される。