「育てながら勝つ」を体現 若手を信じ我慢して起用 20人近い〝若鷹〟が1軍で躍動 4年ぶりVソフトバンクの戦いを分析【若手編】
就任1年目の小久保監督が率いるソフトバンクが4年ぶりのリーグVをぶっちぎりの圧勝で飾った。投打ともに成績は昨季より大幅に改善。また、多くの若手選手が初安打や初本塁打、初勝利を飾るなど、難題である「育てながら勝つ」を体現した。その背景には何があったのか。打者編、投手編、若手編と全3回にわたり検証し今シーズンの戦いぶりを振り返る。(全3回の3回目) ■松葉杖でグラウンドへ…近藤が小久保監督と熱い抱擁【写真】 ◇ ◇ ◇ 3打席連続三振。プロ初スタメンはほろ苦いデビューだった。7月に育成から支配下入りした石塚は8月14日の西武戦で「7番一塁」で起用された。最新鋭ピッチングマシンによる「打撃検定」でチームトップの成績を残し、打撃力を買われて昇格しただけに「相当落ち込んだ」と明かす。 翌日、小久保監督に「安打が欲しくてがっついてしまいました」と伝えた。「そりゃそうよ」。その一言で肩の荷が下りた。同21日に再び先発起用されると初安打と初本塁打を記録。「使い続けてくれて感謝しかない」。心からの思いだ。 今季、小久保監督は積極的に若手を使い続けた。新人王の資格があるのはプロ入り5年以内で前年までに60打席以内の打者か、同じく30投球回以内の投手。今季はこれに該当する野手8人、投手9人を起用した。この中から初本塁打が4本、五つの初勝利が生まれた。 「年齢とか新人とか基準にならない。現状でどういう状態か、チームが一番勝つ確率が高い投手を選んでいる」。倉野投手コーチは投手起用についての考えをそう語る。今季は投手5人、野手2人の新人が入団。うち、高卒2選手を除く5選手がすでに1軍を経験した。特に投手陣は松本裕、藤井ら主力級が離脱した中、新人の岩井と大山が中継ぎ陣を支えた。 若手選手が活躍できている要因を松山2軍監督は「いいタイミングで1軍に上げて我慢強く使ってくれている」と話す。石塚のように最初は結果が出なくても、選手を信じて起用し続けた結果、能力を発揮できた選手は少なくない。さらに松山監督は「1軍で経験することで成長が早くなる可能性もある」と強調。4年ぶりVを飾った今季の戦いは、チームの未来を明るく照らしている。 =おわり (ホークス取材班が担当しました) 【#OTTOホークス優勝特集】 【おすすめ記事 優勝特集】 女性関係の不祥事で大批判…山川穂高を支えた妻の一言、小久保監督の長男&長女が父に贈る言葉、秋山幸二さんが語る小久保采配など西スポWEB OTTO!が総力取材したとっておき優勝記事がたっぷりです。 ▼下記の関連記事から▼
西日本新聞社