共学化へ…別学の生徒「共学化は“男女共同参画”実現への手段なのか?」、県教委「そのように報告書で表現していない。別学共学の選択肢も否定しない」 県教委が判断し共学化実施「関係者の合意を前提にしない」
埼玉県立男女別学高校12校の共学化議論を巡って、別学校の生徒有志と県教育委員会が27日、さいたま市浦和区内で意見交換を行った。生徒と県教委が意見交換するのは、県教委が「主体的に共学化を推進していく」とする報告書を公表して以降、初めて。 埼玉の高校“共学化を推進”と県教委が決定 共学化の時期は示さず 別学校は地域別で意見聴取など実施へ
生徒有志が要望したことから実施した。県立別学7校の生徒計21人が参加し、依田英樹高校改革統括監ら県教委の担当者に、報告書の内容について質問などをした。 県立浦和高校の生徒会長(17)は、「私たちの別学維持を求める声は届かなかったと受け止めている者も多くいる」とした上で「共学化は男女共同参画社会実現のための手段なのか」と質問。共学化の理由を問う声は、ほかの生徒からも多く上がった。 依田統括監は「『男女共同参画を推進するため』という表現は報告書で使っていない」と述べ、県教委が主体となって共学化を推進する理由として「少子化」と「教育ニーズ」を提示。「子どもが減っていく中で、どのように各地域で男子も女子も自分が学びたい学校に自宅からアクセスできるようにするかが大きな課題だ」と強調した。 別学・共学の選択肢の確保を求める意見も多く上がったが、依田統括監は「別学・共学の選択肢は否定していない。ただ、より大切なのは学びの選択肢だ」と述べ、男女の学びの選択肢が「地域によって大きく偏在することは、看過できない」とした。
また、今後の共学化の実施については「県教委が主体的に判断する以上、(関係者の)合意を前提にしてはいない」としながらも「在校生や保護者、関係者の意見には耳を澄ませていきたい」と述べ、今後も対話を続ける考えを示した。