日本チャンプの16歳が初出場 スーパー高校生が圧倒的飛距離で殴り込み
<バンテリン東海クラシック 事前情報◇25日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71> 今季4勝目に石川遼もハグで祝福【写真】 6月の「日本アマ」を史上最年少で制した16歳のアマチュア・松山茉生(まお、福井工大福井高1年)がレギュラーツアーに初出場する。身長182センチ、体重92キロの恵まれた体躯で、平均飛距離310ヤードを誇る飛ばし屋。先月は国内男子下部のABEMAツアーで、優勝争いを演じており、勢いに乗って華々しいデビューを飾る。 松山は快進撃の真っ最中だ。6月は「トヨタジュニアワールドカップ」の個人戦、「日本アマ」と立て続けに優勝。「日本ジュニア」は5位に終わり、日本タイトル“2冠”は逃したが、2週後のABEMAツアー「ダンロップフェニックスチャレンジinふくしま」で優勝者と2打差の5位と健闘した。「優勝はできなかったんですけど、プロの試合で自分のプレーができて自信がつきました。自分の中でスコアの出し方が分かったというか、不安がなくなってメンタル面でいい方向に行っていると思います」。レギュラーツアー初戦となる今大会も「最低でもベストアマを取ってトップ10に入りたいです」と高い目標を掲げている。 予選2日間はドライビングディスタンス1位の河本力、同6位の杉浦大河とのグループ。「(飛距離を)意識しないというのは難しいと思うんですけど、できるだけ意識はせずに自分のプレーをすることだけを考えて、楽しくプレーできたらと思っています」。松山は3日目のラウンド後に行われるドライビングコンテストにも参加予定。「(コンテストが行われる)1番のフェアウェイは下っていて、転がれば350ヤードは越えると思うので、350ヤードが目標です」。スーパー高校生の飛距離がプロのトップレベルに通用するのか、本戦と合わせて注目が集まる。 今大会では兄の怜生さん(福井工大1年)がキャディを務める。今大会は23日のマンデーに出場していたが、1打差で本戦出場はならなかった。昨年の「マイナビABCチャンピオンシップ」で予選通過(60位)を果たした兄のサポートは心強いはずだ。コースは3年前の「中部アマ」(24位)などで経験している。「相性は悪くないですけど、めちゃくちゃいいということもないと思います。アマチュアの試合と比べると、ラフが長くて強いですね」。この深いラフが最大の警戒ポイントだ。 愛知県名古屋市出身で自宅から今大会の三好CCまでは車で30分ほど。普段は寮生活を送っているため、今週は久々に自宅に戻り、母の手料理を味わっている。「なんでも美味しいです。昨日は唐揚げを作ってもらいました。試合前は重いものを食べないので、今夜はうどんかな」。こうして話しているとまだまだあどけない16歳が間もなく、プロ顔負けの飛距離と実力を披露する。(文・田中宏治)