実写版【推しの子】音楽担当fox capture plan 「福岡は第二の故郷」のベース・カワイが明かす制作の裏側
ドラマ「ブラッシュアップライフ」「コンフィデンスマンJP」など、多くの映像作品の音楽を手がけてきたピアノトリオバンド「fox capture plan(フォックス・キャプチャー・プラン)」が、この冬公開の人気漫画「【推しの子】」実写版の音楽制作に挑んでいる。ベースのカワイヒデヒロに話を聞いた。 【写真】ジャズとロックを融合した楽曲が人気の「fox capture plan」 バンドはピアノ・岸本亮、ドラムス・井上司とカワイの3人組。それぞれ別のバンドで活動していたカワイと岸本が「遊びでやろうよ」と、井上を誘って2011年に結成した。 ジャズとロックの融合をコンセプトに活動し、情熱的でクールな楽曲が注目されてヒットを連発。ドラマや映画の音楽(劇伴)の依頼が次々に舞い込み、23年はNHK紅白歌合戦のグランドオープニング音楽を担当した。 曲は3人それぞれが「自分なりのレシピ」で作ったものを持ち寄り、思いついたフレーズを入れながら、パズルのように組み立てていく。レコーディングで即興的に出来上がることも少なくない。 漫画が原作の「【推しの子】」は華やかに見える芸能界での復讐(ふくしゅう)がテーマ。「負の感情を表現する重ための曲」に苦心したが、「ラストシーンは荘厳な曲ができたので、楽しみにしてほしい」と言う。 制作期間中はパソコンに向かうことが多く、全身が「凝り固まってしまう」。いろいろな整体を試すだけでなく、7月には整体サロンを福岡市に開業した。 福岡は2005年まで天神にあった「福岡ブルーノート」で演奏して以来、中洲ジャズも含めて何度もライブで訪れた街でもある。福岡の大ファンで、最近は「おいしい食事と芋焼酎」を求めて月に1度は訪れる。「店を出したのは福岡に来る理由を作りたかったからかも」と笑う。東京出身のカワイにとって、福岡は「充電できる第二の故郷」になった。 (加茂川雅仁)