【明日の金ロー】尾上松也演じる半神半人のヒロインの相棒・マウイの歌声にも注目「モアナと伝説の海」
22日の金曜ロードショー(後9時)は、ディズニー作品の「モアナと伝説の海」(2016年、日本公開は17年)が放送枠を10分拡大し、本編ノーカットで登場。12月6日に続編の「―2」が劇場公開されるのを前に、その世界観を感じることができる。 ヒロインのモアナは、豊かな自然に恵まれた南の楽園・モトゥヌイの村長の娘。幼い頃から祖母に伝説を聞かされて育ち、海へのあこがれを抱いていたが、村には島を取り囲むサンゴ礁の外に出てはいけないという掟(おきて)があった。 ある日、ココナツの木が病気にかかり、魚が全く取れなくなるという不穏な出来事が島に起こる。それらは、かつてモアナが聞いた伝説にあるように、半神半人のマウイが「命の女神」テ・フィティの心を盗み、闇が生まれたことが原因だった。島を救うためにモアナは掟を破って大海原へと舟を駆って繰り出し、マウイと共にテ・フィティに心を返そうとする―。 本作の舞台は具体的には示されてはいないが、米ハワイがイメージされていることは間違いない。ヒロインの名前「モアナ」はハワイの言葉で「海」を意味する。何より、モアナと共に冒険をする「マウイ」の名前はハワイの島の一つだ。 マウイ島は上空から見下ろすと横を向いた女性の上半身のような形をしているとも言われており、本作のテ・フィティが横たわって島と化しているところにもつながる。ちなみに、過去のディズニー作品でハワイを舞台にしたものでは「リロ・アンド・スティッチ」(02年、日本公開は03年)があったが、同作はマウイ島と同じく主要4島の一つ、カウアイ島が舞台だった。 マウイの声優を務めているのは、「ワイルド・スピード」シリーズなどで知られる”ロック様”ことドウェイン・ジョンソン。体格を見れば「なるほど」と思わずニンマリしてしまうが、日本語版の吹き替えを担当しているのは、歌舞伎俳優の尾上松也。劇中では歌声も披露している。 「えっ、歌舞伎俳優も歌うの?」と思う人もいるかもしれないが、歌舞伎俳優でミュージカルに出演している人は意外に多い。その代表格が松本白鸚。1324回、54年にわたって主演を務めた「ラ・マンチャの男」をはじめ、多数の作品に出演。松也も13年の「ロミオ&ジュリエット」や15年の「エリザベート」など、日本を代表するミュージカル作品への出演経験がある。 松也は本作公開時のスポーツ報知のインタビューで「実は歌舞伎とミュージカルは共通点がたくさんある。『歌』と『舞』という文字からしてそう。ともに音楽が絶対条件として必要。歌舞伎は自らメロディーを歌うことはないけど、七五調のセリフなんかは歌に近い」と説明。「ミュージカルに出させていただいてるのとディズニーで育っているので、歌は根拠のない自信があって、楽しんで歌いました」と話していた。 モアナを演じるミュージカル女優・屋比久知奈の演技はもちろんだが、マウイのキャラクターが作品の魅力を高めているのは確か。その歌声と共に楽しんでもらいたい。(高柳 哲人)
報知新聞社