被害女児2人とも面識なしか 加古川、たつの殺傷2事件に関与認めた45歳男 県警、慎重に裏付け
2007年10月に加古川市で小学2年の女児が刺殺され、その前年9月、たつの市で小学4年の女児が襲われ重傷を負った二つの事件について、兵庫県警の任意の聴取に関与を認めたとされる服役中の男(45)は、いずれの被害女児とも面識がなかったとみられることが分かった。 【写真】亡くなった鵜瀬柚希さん 県警は、男が説明した被害女児2人との接点を含む事件前後の行動について慎重に捜査。たつの市の事件について近く、男を殺人未遂の疑いで逮捕する方向で調整している。 加古川市の事件は、07年10月16日午後6時ごろに発生。同市別府町新野辺で、自転車で帰宅した鵜瀬柚希(うのせ・ゆずき)さん=当時(7)=が、何者かに刃物で刺されて死亡した。鵜瀬さんは救急搬送中、「誰に(刺されたのか)」という救急隊員の問いかけに、固有名詞は挙げず、「大人」「男」と答えたとされる。 たつの市の事件は、06年9月28日午後6時20分ごろ、歩いて帰宅中の女児=当時(9)=が、徒歩で近づいてきた男に刃物で刺された。県警は女児の説明などから、男と面識がなかったとみて捜査。付近の防犯カメラに写った現場から立ち去る人物の画像を分析するなどしていた。 捜査関係者によると、男は04年9月、岡山県津山市で小学3年の女児=当時(9)=を刃物で刺して殺害したとして逮捕、起訴された。岡山地裁は22年1月に無期懲役の判決を言い渡し、23年9月に確定した。 【加古川の小2女児刺殺事件】2007年10月16日午後6時ごろ、加古川市の小学2年鵜瀬柚希さん=当時(7)=が自宅から約500メートル離れた公園から自転車で帰宅直後、左胸と腹を刃物で刺され、搬送先の病院で死亡した。司法解剖で失血死と判明。兵庫県警は殺人容疑で加古川署に捜査本部を設置。これまでに捜査員延べ5万人以上を投入し、捜査を続けていた。鵜瀬さんは搬送時、刺したのは「大人」「男」と救急隊員に話していた。