手間なしでヒット「アタック」開発者に聞く 粉末の利点生かす独自技術【経済トレンド】
花王の「アタック ZERO パーフェクトスティック」は、水に溶けるフィルムに包んで棒状にした粉末洗剤をそのまま洗濯機に入れる簡単さと、高い洗浄効果の両方を実現した。部屋干しタイプもある。参考価格は7本入りが250円前後(2024年7月時点)。(共同通信=川村剛史記者) 2023年8月に発売。出荷本数は2024年6月末時点で累計2億5千万本以上に。企画開発を担当する花王の服部裕紀(はっとり・ひろき)さんにヒットの秘密を聞いた。 花王の調査では、9割の人が洗濯の手間の軽減を望む一方、衣類の黄ばみを嫌って半数以上が日常的に部分洗いをしていることが分かった。 「楽に使えて、つけ置き洗いをしなくても汚れが落ちる。そんな便利な洗剤を目指しました」 計量不要で洗濯機に入れるだけの手軽さを実現。他社商品で既にある液体タイプとは異なり、粉末に注目した。 「粉末は液体より洗濯水をアルカリ性にし、皮脂汚れにつながる脂肪酸への効果が高い。洗浄力の利点を生かしました」
粉には独自の技術を施した。内部に空洞があり水に触れると発泡し、素早く溶けて汚れに対応。個別にコーティングされて粉同士が密着せず、溶け残りが起こりにくい。 従来の粉末洗剤にはない抗菌効果も追加。子どもの誤食を防ぐため、開けるのにこつがいるジッパーを採用した。 「『そのままで汚れがけっこう落ち、楽で良い』などと、子育て世帯を中心に人気が伸びています」と話す服部さんは兵庫県出身の31歳だ。