演歌歌手・冠二郎(79)逝去。死因の「心不全」の前兆となる初期症状・末期症状を医師が解説
演歌歌手の冠二郎さん(79)が、2024年1月1日に逝去しました。所属レコード会社の公式サイトは、体調不良のため長期療養中でしたが、「心不全」のため埼玉県内の病院でお亡くなりになられたことを発表しています。 Medical DOC監修医が心不全の症状・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております] ※この記事はMedical DOCにて【「心不全の症状」はご存知ですか?前兆となる初期症状・末期症状も医師が解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
「心不全」とは?
心臓は血液を肺、全身に送り出すポンプの役割を果たしています。「心不全」とは、この心臓の機能が悪くなった状態をさします。「心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と、定義されています。
心不全の代表的な症状
心不全の代表的な症状には、 ①心臓が十分な血液を送り出せないことによっておこる症状 ②血液がうっ滞することによって起こる症状 の2つがあります。 ■血液が十分に送り出せないことによる症状 心臓の機能が弱り、全身に十分な血液を送り出せないことによりさまざまな症状が起こります。 ・疲労感、倦怠感 ・手足の冷え ・息切れ 全身に十分な血液を送り出せないことにより、体に必要な酸素や栄養素が供給されにくくなります。このため、運動をするとすぐに疲れたり、息切れが起こります。また、末梢の循環が悪くなるため、手足が冷たくなり、紫色になることもあります。このような症状が現れた場合には、無理に動かず早めに循環器内科へ行きましょう。少し動いただけでも苦しくなるようであれば、早急に受診することをお勧めします。 ■血液がうっ滞することにより起こる症状 心機能が悪くなることで血液がうっ滞し、下記のような症状が起こります。 ・むくみ、体重増加 ・呼吸困難 ・夜間頻尿 心不全のため、血液がうっ滞すると下肢を中心にむくみが出ます。むくみがひどくなると、体重増加をきたします。また、夜間に横になると、下肢を中心にたまっていた水分が血管内に戻り、腎臓への血流量が増えます。このため尿量が多くなり、夜間頻尿につながります。肺に水が溜まると呼吸困難が起こります。症状が進行すると、横になると苦しくなる「起坐呼吸」という症状が出ることもあります。改善するためには減塩が勧められますが、原因により対応も変わります。このため、むくみが強く、呼吸困難を伴う時には早めに循環器内科を受診し精査をしましょう。