智弁学園、天理 2校、夢舞台へ(その2止) 仲間と日々鍛錬 /奈良
<センバツ2020> ◆天理 2019年の秋季県大会では、準決勝でライバルの智弁学園に大敗し、3位に甘んじた。しかし近畿大会では一試合ごとに目覚ましい成長を見せ、決勝では大阪桐蔭を12―4で降して、近畿の王者となった。中村良二監督は「同じ事を繰り返せと言われても、無理な試合ばかりだった」と話す。続く明治神宮大会では11年ぶりに4強入りを果たした。 打撃の柱は1番・下林源太主将(2年)。公式戦12試合で5本塁打を放ち、打率は5割を超える。2番・山元太陽選手(同)や、6番・河村拓民選手(同)も4割を超える打率を誇る。さらに、1年生・瀬千皓選手が明治神宮大会2回戦で5打点の活躍を見せるなど、攻撃の層は厚い。公式戦12試合のチーム打率は3割7分6厘で、センバツでも打撃力に期待がかかる。 投手陣は、エースの庭野夢叶投手(2年)と、左腕・吉岡大誓投手(同)の2枚が中心。庭野投手は、近畿大会と明治神宮大会で計4試合完投し、防御率は2・51と粘り強い。その他にも、右のサイドスロー・嶋田優心投手(同)や、多彩な変化球を投げる福重翔三投手(同)、近畿大会決勝で好投した192センチの長身、達孝太投手(1年)などを相手チームに応じて使い分ける。 ◆学校プロフィル ◇ラグビー部も強豪 天理教校として1900年に設立。08年に旧制天理中が創立され、48年に学制改革で現校名になった。男女共学で全日制と定時制があり、カリキュラムに天理教の教義を組み込む。 野球部は01年の創設。センバツは54年に初出場し、97年に初優勝を果たした。OBにプロ野球・元南海の門田博光さん、ロッテ・中村奨吾選手、ヤクルト・西浦直亨選手、オリックス・太田椋選手ら。ラグビー部は、全国高校ラグビーフットボール大会で優勝6回の強豪。柔道部やホッケー部も全国トップレベル。 校章は、天理教団の紋章「梅の花」に、高等学校の「高」の字を配している。 天理市杣之内町1260(0743・63・7691)。 ◇天理校歌 作詞 明本京静 作曲 近衛秀麿 一、見よ空高く輝くひかり 天理のみおやの導くところ ひとすぢ心にたゞひのきしん われらぞ御神(みかみ)の光栄(はえ)ある羽翼 天理青年進めわれら 二、見よかゞやきのぢばかんろだい 天(そら)みつ大和は久遠(くおん)の聖地 たすけ一条に三才ごころ 陽気ぐらしぞわれら教祖の羽翼 天理青年進めわれら 三、見よ大洋(おおうみ)に白帆のひとつ 追風(おいて)はみおやぞ万波を越えて あらき棟梁われらの使命 はたすは御神の光栄ある羽翼 天理青年進めわれら ……………………………………………………………………………………………………… <秋季県大会> ◇1回戦 西の京 000000=0 天理 261001=10 (六回コールド) ◇2回戦 橿原学院 0010000=1 206010×=9 天理 (七回コールド) ◇3回戦 大淀 00000=0 天理 5682×=21 (五回コールド) ◇準々決勝 天理 85010=14 関西中央 00000=0 (五回コールド) ◇準決勝 天理 20010=3 智弁学園 01633=13 (五回コールド) ◇3位決定戦 奈良 001000000=1 天理 100000001=2 <秋季近畿地区大会> ◇1回戦 報徳学園 000010000=1 10000024×=7 天理(兵庫) ◇準々決勝 天理 230045=14 奈良大付 000000=0 (六回コールド) ◇準決勝 履正社 002000200=4 000000302=5 天理(大阪) ◇決勝 天理 200005104=12 100000030=4 大阪桐蔭 <明治神宮大会> ◇2回戦(準々決勝) 天理 000203300=8 000023001=6 仙台育英(東北・宮城) ◇準決勝 天理 211112001=9 110020141=10 中京大中京(東海・愛知) ……………………………………………………………………………………………………… ◆智弁学園 2019年秋の県大会は5試合で計59安打55得点を記録し、うち4試合がコールド勝ちと圧倒的な強さで優勝した。近畿大会では準々決勝で智弁和歌山を降して4強に一番乗り。準決勝では大阪桐蔭と対戦。6番・山下陽輔選手(1年)の本塁打などで5点を奪った。試合はサヨナラで惜敗したが、高い実力が評価され、昨夏に続く2大会連続の甲子園切符を手にした。 昨夏の大舞台を経験した1番・白石陸主将(2年)、4番・前川右京選手(1年)を中心とした打線は強力で、公式戦8試合のチーム打率は3割8分6厘。前川選手はチーム最多の6本塁打などで17打点、打率は5割8分6厘を誇る。白石主将も13打点と勝負強い。5番・浦谷直弥選手(2年)は打率5割、7番・山崎空雅選手(同)も打率4割超で9打点を挙げるなど、上位から下位まで打線に切れ目がない。 投手陣は、左腕の西村王雅投手(1年)と右腕の小畠一心投手(同)が柱だ。西村投手は県大会と近畿大会で計4試合を完投。県大会で1試合を完投した左腕の荒川翔太投手(2年)らも控える。小坂将商監督は「守備が課題」とこの冬は守備の基本練習に重きを置いて取り組んできた。16年以来の頂点を狙う。 ◆学校プロフィル ◇OBに岡本和真選手 弁天宗を母体に1965年に創設された私立共学校で、野球部は同年9月に創部された。中高一貫コース、英数コース、普通コースの3コースが設置され、「誠実・明朗」を教育目標に掲げる。和歌山県の智弁和歌山高校は兄弟校。 甲子園には夏は68年、春は76年にそれぞれ初出場し、通算の出場回数は夏が19回、春は今回で13回目。2016年春に春夏通じて初の全国制覇を果たした。プロ野球選手を数多く輩出し、OBに巨人の岡本和真選手、阪神の高代延博コーチ、岡崎太一選手、ヤクルトの広岡大志選手ら。 校章は、弁天宗の宗紋であるキキョウの花に由来する。 五條市野原中4の1の51(0747・22・3191)。 ◇智弁学園校歌 作詞 大森智祥 作曲 古賀政男 一、宇智の丘にはわたる陽の あまねきめぐみ 塔高く 桔梗かがやく 学び舎に 宗祖(みおや)の徳を仰ぎつつ 励むわれらに光あれ われら誠実 われらは明朗 ほめよわれらが われらが誇りは智弁学園 二、金剛の山青くして 吉野の流れ 遠く行く 知性の光 愛のかげ 理想は高く すすむとき 学ぶわれらに誇りあり われら誠実 われらは明朗 ほめよわれらが われらが誇りは智弁学園 ……………………………………………………………………………………………………… <秋季県大会> ◇2回戦 智弁学園 3612200=14 橿原 0030200=5 (七回コールド) ◇3回戦 智弁学園 02252=11 桜井 00000=0 (五回コールド) ◇準々決勝 郡山 0010000=1 智弁学園 0000010×=10 (七回コールド) ◇準決勝 天理 20010=3 智弁学園 01633=13 (五回コールド) ◇決勝 奈良大付 040002000=6 00015100×=7 智弁学園 <秋季近畿地区大会> ◇1回戦 神戸国際大付 020000000=2 00301000×=4 智弁学園(兵庫) ◇準々決勝 智弁和歌山 003014302=13 60030503×=17 智弁学園 ◇準決勝 智弁学園 010400000=5 002100111=6 大阪桐蔭