三菱自動車、ゴーン氏の次期会長候補選出を正式発表
三菱自動車は20日、日産自動車による2370億円の出資を受け、同社が三菱自動車の単独筆頭株主になったと正式発表した。同時に、日産自動車社長のカルロス・ゴーン氏を三菱自動車の次期会長候補に選出したとも発表した。 三菱自動車の益子修会長兼社長は同日、東京都内でゴーン氏とともに会見。同社の燃費不正問題で「多くの方にご迷惑をかけた」と謝罪した上で、「(ゴーン氏は)『必ずこの問題は克服できる。支援と協力を惜しまない』と一貫して励ましてくれた。ゴーン氏には会長に就任にしていただく予定で、心強く思っている」と話した。 会見で、ゴーン氏は「(益子氏を)信頼している。彼は辞任する考えだったが、(要請を)受け入れてくれた」と話し、益子氏に社長留任を要請したことを明らかにした。「三菱自動車にとって、株主にとって、益子さんは残ったほうがいいと思った。三菱自動車はこれからも三菱自動車として残る。益子さんが残ることでその強いメッセージにもなる」とも説明した。 これについて、益子氏は「新体制へのスムースな船出、シナジーなどの追及を考えたときに残ってほしいと(ゴーン氏に)再三言われた。批判はあると思うが、ある期間、再建に向けてもう一度気持ちを奮い立たせて取り組むこととした」と話した。 質疑応答では、三菱自動車でリコールなど不祥事が続いていることを挙げ「どうして今回は大丈夫と言えるのか」との質問もあった。これに対し、ゴーン氏は「同じことを(日産の経営に関わり始めた)1999年にも言われた。(三菱自動車には)競争力があり、才能がある人がいる。困難もあると思うし、難しい決断も必要となるだろうが、やれると思う」と語った。