スピードメーターは実際よりも高めに表示される!? ほんとの速度が知りたければ、GPSで測定しているドラレコやスマホアプリのほうが正確でした
クルマに付いているメーター、じつは曖昧
当然のことながら、タコメーターは付いていなくても、スピードメーターが付いていないクルマはありません。スピードは安全運転に直結するもので、制限速度を超えてしまうと違反にもなります。もしかしたら、付いていないのが原因で違反や事故が起これば、メーカーの責任も問われるかもしれません。 【画像】じつは誤差があった!「スピードメーター」を見る(全5枚)
ドラレコなどはGPSで測っているので数値は正確
スピードメーターの形式は、以前であればアナログで針が動くもので、最近はデジタルが当たり前。針で表示するにしてもグラフィックメーターで、イラストが動くだけだったりする。デジタルだと、表示している数値は正確だと思いがちだが、実際はそのようなことはない。 そもそもどうやってスピードを測っているかというと、その昔はトランスミッションに取り出しのギアを付けてケーブルでスピードメーター裏まで引っ張っていたのが、今ではエンジンとトランスミッションの回転をセンサーで取ってコンピューターで計算する方式になっている。 精度という点では昔よりも良くはなっているが、それでも完璧ではない。疑問に思うなら、最近ではドライブレコーダーやレーダー探知機でも速度表示がされているので試しに合わせてみるといいだろう。ほとんどの場合で、ズレが出ているはず。ちなみにドラレコなどはGPSで測っているので数値は正確だ。 タイヤの外径を大きくしている場合は別にして、ズレはクルマのメーターのほうが高めに表示される。理由はあって、違反も含めて速度を高めに表示したほうが問題が起きないというのが大きい。大は小を兼ねるというわけで、逆だとメーターは低く表示していたのに、実際は速度が高くてスピード違反で捕まったということにもなりかねない。そうなると自動車メーカーの責任も問われかねない。そのため、高く表示するのが基本というわけだ。余談になるが、昔のイタリア車は走りの高揚感を煽るためにかなり高く表示するようになっていて、イタリアンメーターという俗称もあったほど。 実際の速度とメーター表示に差があるのは法律的にも問題なく、車検では40km/hでスピードメーターの検査をするが、この場合もある程度の幅がもたされていて、実際、大きくハズレていない限りは合格となる。 そもそも正確にはスピードを測ること自体無理というのが正直なところで、簡単な例だとタイヤは走るに従って、摩耗して径が小さくなるのでスピード表示はわずかだが高くなっていく。もちろん空気圧にもよるし、新品のタイヤもじつはメーカー、銘柄問わず同じ外径ではなく、わずかに違う。となると、先に紹介したGPSでの正確な測定と比べると、クルマに付いているメーターは誤差というか、曖昧と言っていいだろう。 また海外ではカタログ値と実際の差が大きいのは好ましくないという考え方が強く、精度が高いとされるが、タイヤの摩耗も関わってくるとなると、精度が完璧というのはあり得ないだろう。もちろん、GPSにすれば精度の問題は解決するものの、トンネルの中などでは電波が受信できずに止まってしまうため、実用性に欠けてしまうので、あえて誤差を作りつつ、高めに表示させるのが一番現実的というわけだ。
近藤暁史(KONDO Akifumi)
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