「自分のほうが一枚上手でした」今季12点目を豪快に決めた小川航基が体感する“日本との違い”。「死にもの狂いにさせられるんです」【現地発】
「今はホームで負ける気がしません」
NECがホームゲームで負けたのは昨年12月3日のアヤックス戦(1−2)が最後。以降、NECは公式戦のホームゲームで6連勝中だ。 「やっぱりそれはサポーターの声援が大きい。ピッチもすごくいいんです。本当に芝の状態がいい。なんかすべてが味方をしてくれています。今はホームで負ける気がしません」 今でこそサポーターの信頼を集めるNEC。しかしシーズン序盤は、昨シーズン終盤に失速した影響もあり、不満のマグマが溜まっていた。それが如実に現れたのがリーグ戦第2節、ヘラクレス相手に後半アディショナルタイムに失点し、1−2で惜敗した試合後だ。アルメレから夜中にホームスタジアム『デ・ホッフェルト』に着くと、怒り心頭に発したサポーターにバスが取り囲まれた。 「まだ2試合なのに!?」。そう小川は驚いたという。 2月27日、KNVBカップ準決勝。小川の同点弾と佐野の決勝ゴールによってカンブールを2−1で下し、一泊してからバスでナイメーヘンに戻ると、今度はサポーターの労いの拍手が待っていた。 「それがなんかヨーロッパというか、日本とのすごい違いというか、熱さというか…。『死にもの狂いで命を懸けるぐらいやってやらないと』という気持ちにさせられるというか。それを肌で感じられているのはすごく大きいです。お金を払って見に来てくれるサポーターたちが、得点を決められない、試合に勝てないと怒る気持ちもすごく分かります。こうやっていい雰囲気のなか、勝利を重ねているのがすごく嬉しいです」 1万2500人の観客が縦ノリで揺らし、劇場と化したスタジアム。その主役を務めたのはやはり小川だった。 取材・文●中田 徹
【関連記事】
- 「欧州組を呼ぶ意味がよく分かった」NEC小川航基が森保ジャパンから得た“リアルな刺激”「自分も食い込んでいきたい」【現地発】
- 「選手として終わってしまう」今季5点目をマークしたNEC小川航基が日本代表入りに向けて強調した“学びの姿勢”「彼の動き出しとかを勉強しています」【現地発】
- 「日本人ばっかり出して」「弱いじゃないか!」ファンが不満を抱いたSTVVが100周年で挑む“ユース育成改革”の全容~立石敬之CEOに訊く【現地発】
- 「メンタルも技術も慣れてきた」オランダ1年目の佐野航大はなぜブレイク明けに急躍進を遂げられたのか。兄・海舟には「俺よりも玄人向け」【現地発】
- 「日本人の評価が上がっている」鮮烈な今季1号を蹴り込んだ菅原由勢が実感する“サムライの価値”。AZサポーターからの壮大なチャントに宿るステータス【現地発】