野手ならクリーンアップの逸材? 復活待たれる「阪神のドラ1右腕」は
投手として成長に努力
もちろん本職は投手だ。同世代の佐々木朗希(ロッテ)、宮城大弥(オリックス)、奥川恭伸(ヤクルト)が一軍の舞台で一足早く活躍している。22年5月に週刊ベースボールのインタビューで、こう語っていた。 「昨年は宮城(オリックス)や奥川(ヤクルト)たちが活躍していましたが、悔しいとか、励みになるということはまったくなかったんです。むしろ、まずは自分のことをしっかりやらないといけない、という危機感のほうがありました。1勝は挙げましたが、自分の中で自分自身の投球に不安があったんです」 制球力を磨くためフォーム改造に着手した。 「まずはコントロールを考えてショートアームにしたのですが、これだと球速が出なくなってしまい、ボールの回転軸もあまりよくなかったんです。そこで、トップの位置を気にしながらも、足を上げた後、いったん、右腕と右手を下へ降ろしながらもすぐにトップへ早く持っていける位置を探しました。その試行錯誤によってだんだんと現状の投げ方へと変化していきました」
チームが浮上するために
努力が実を結び、22年は14試合登板で6勝3敗、防御率2.68をマーク。将来を嘱望される右腕は順調に階段を駆け上がっていくかに見えたが、昨年は17試合登板で5勝2敗、防御率3.86。開幕から先発ローテーションに入ったが安定感を欠き、救援に回った時期があった。チームは38年ぶりの日本一に輝いたが、心から喜べたとは言えない。 今年は開幕をファームで迎え、6月1日に一軍昇格。救援要員で3試合登板して防御率1.93とまずまずの投球内容だったが、チーム事情で26日に登録抹消に。ファームで力を蓄えている。ウエスタンリーグでは10試合登板で3勝4敗1セーブ、防御率2.76。決して悪い数字ではないが、一軍の先発陣に食い込むためには相手を圧倒してほしい。 セ・リーグは混戦が続く。阪神は7月2日の広島戦(マツダ広島)で延長戦の末に3対0で白星をつかみ、貯金1に。首位・広島と3ゲーム差に詰めた。勝負の夏場は投手力がチームの命運を左右する。西純は一軍のマウンドで輝けるか。バットでも豪快なスイングで打線を勢いづけてほしい。 写真=BBM
週刊ベースボール