福島県双葉町の復興拠点でブロッコリー初収穫 石川県の安井ファーム・黒津今日子さん(福島市出身)
石川県の農業生産法人「安井ファーム」の職員・黒津今日子さん(34)=福島市出身=は28日、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が解除された福島県双葉町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)で、ブロッコリーの収穫を始めた。収穫は初めて。東日本大震災と原発事故からの復興が進む双葉の野菜のおいしさや安全性を発信し、農業発展につなげる。 前田地区の農地を借り、8月からブロッコリーやニンジン、キャベツなど計3品目を栽培している。約5千株の苗を植えたブロッコリーは、2カ月ほどですくすくと成長した。この日は収穫ができる喜びをかみしめながら、手作業で丁寧に作業を進めた。 約1カ月にわたり収穫を続ける。既に放射線量を測定し、国の基準値を下回る値を確認した。今後、町民らに味わってもらう機会を設けていく予定だ。他の野菜も11月中旬ごろから、順次収穫する。 現在、町で農業に取り組む農家はごくわずか。黒津さんは就農者を増やすため、厳しい環境の中でも成功を収めると決意する。「収穫にたどりつけて本当に良かった。『双葉でも農業ができるよ』と知ってもらい、農家や町民が町に集まるきっかけをつくっていきたい」と誓っている。
(相双版)