失明、視力が低下するリスクも!?じつは怖い「ビタミンA」不足
健康を維持したり、病気の予防に欠かせない栄養素。その中でも、「ビタミンA」にはどういった働きがあるのかご存じでしょうか? 【画像】失明、視力が低下するリスクも!?じつは怖い「ビタミンA」不足 必要量が足りているからこそ、わたしたちは当たり前に毎日を過ごせるのですが、不足してしまうといくつものデメリットが出てくることに……。 管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、ビタミンAが不足することでどのようなことが起きるのかと、効率よくとるための食べ方について紹介してもらいます。
ビタミンAの働きとは?
ビタミンAとは、油に溶けやすい性質(脂溶性)を持つビタミンの一種です。肉、魚、乳製品などの動物性食品に含まれるレチノールや、野菜などの植物性食品に含まれるβ(ベータ)-カロテンなどがあります。 β-カロテンについては、体内に吸収されて必要な分だけがビタミンAに変化し、ビタミンAとしての効果を発揮できるようになります。(※) そんなビタミンAの働きは、おもにつぎのとおり。 ・目の網膜を保護したり、薄暗い所で視力を保つ ・粘膜(のど、鼻など)や皮膚を健康に保ち、免疫機能を高める ・細胞の増殖や分化を調整する 全身の細胞に関わる働きもあるため、視力に限らず、聴覚、味覚、生殖機能などの正常維持にも役立つ栄養素となっているのです。 ※……これをプロビタミンAと呼びますが、β-カロテン以外にも50種類ほど存在しています。その中で一番効率よくビタミンAに変換されやすいのがβ-カロテンです。そのため、この記事ではβ-カロテンを取り上げて紹介しています。
ビタミンA不足になると起きることとは?
ビタミンAが不足すると乳幼児では角膜乾燥症や最悪の場合には失明、成長期には骨や神経などの発達が不十分となる成長障害、大人では夜盲症(夜間視力の低下)が起こりやすくなります。 そのほか、胎児の奇形、皮膚や粘膜の乾燥・肥厚・角質化、免疫力の低下から感染症にかかりやすくなることも……。 令和元年国民健康・栄養調査におけるデータを見てみると、食品からのビタミンAの1日の摂取量はどの年代にも不足している傾向にあることがわかっていますが、ビタミンAは肝臓などに蓄積される栄養素なので、よほど長期に不足が続かなければこのような欠乏症は起こりにくいといわれています。 ただし、ビタミンAを含む食品をほとんどとらない食生活が続いている場合には注意が必要です。