中村俊輔、中田英寿、本田圭佑...なぜ選手権から多くの“スター選手”が生まれた? 印象深いのは桝太一アナウンサーの言葉
「選手権で選手が成長すると多くの人が言いますが…」
「国立最蹴章」とのキャッチコピーが付けられた2013年度は、青森山田高のDF室屋成(ハノーファー/ドイツ)が大会優秀選手に名を連ねている。決勝の舞台が埼玉スタジアム2002に移った翌年以降も市立船橋高のDF杉岡大暉(湘南)、桐光学園高のFW小川航基(NEC/オランダ)、京都橘高のFW岩崎悠人(鳥栖)などフル代表経験者が注目を集めた。 青森山田高のMF松木玖生(FC東京)、神村学園高のFW福田師王(ボルシアMG/ドイツ)など、2020年代に入ってからも選手権から、多くのタレントが現れている。今後もその流れは変わらないだろう。 多才なタレントが選手権を彩ってきたが、彼らが活躍できたのは大舞台での活躍を目ざして、3年間毎日努力を続けてきたからだと言える。印象に残っているのは、筆者が立正大淞南高の南健司総監督から教えてもらった桝太一アナウンサーの言葉だ。 「選手権で選手が成長すると多くの人が言いますが、私は変わることがないと思っています。今までやってきたことが確信と自信に変わって、思い切りプレーしているだけなのです。だから、みんなは自分の力を信じて、100パーセントの力を出してください」 今年はコロナ禍が明けて、予選から声援ありの応援が帰ってきた。良いプレーをすればスタンドが湧き、苦しい時には仲間が応援歌やエールで背中を押してくれる。そうした選手権ならではの舞台装置が選手の確信と自信に変わり、活躍した結果が、スターの誕生に繋がってきた。 今年もどんな選手が日本サッカー界の主役候補に躍り出るのか注目して欲しい。多くの人の声援が選手の自信、プレーに繋がるはずだ。 取材・文●森田将義